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フィラメントスプールホルダの製作(その2) [3D_printer]

 「フィラメントスプールホルダの製作」の記事で書いたセンターホールサポート式のホルダを「フィラメントの湿気対策(その2)」で書いた湿気対策用のドライボックスに入れて運用していると以下の問題が見えてきました。
  1. 特に新品のフィラメントの場合、フィラメント交換の際のエクストルーダーにフィラメントを入れる時にフィラメントがスプールの外側に外れるのを防ぎながらの作業になるので作業性が悪い
  2. フィラメントのリトラクション(結構多めに設定している)時にスプールに対するフィラメントの巻きが緩む。
  3. スプール内で重い方が下になっている時間が長く、たまに半回転するような動きになることがある。
  4. 上記の2,3の状態が続くとフィラメントが10ターン程度ゆるゆるの状態になる(新品のフィラメントの場合、リール外に外れないか心配になる)

 2~4のケースは実はエクストルーダーに対するホルダ側の負荷が最小に近い状態でTPU等のフレキシブルなフィラメントを使う場合には寧ろ理想的な状態かもしれませんが、上記1の問題も考慮し、スプールの淵をサポートする外周支点型ホルダを作ってみました。

 今回作成したホルダのCAD表示が下の図です。
 ベアリングの低抵抗を生かすために滑車の原理を考慮し、スプールの淵を受けるポール部はある程度大きな径にしました。

新ホルダ 新ホルダ(裏側)


 ポールは出力精度と強度をキープするために2分割して出力し、瞬間接着剤で接着しています。今回使用した主なフィラメントはPETGですが、PETG用の接着剤が手持ちで無かったためポール部分はABSフィラメントで出力しています。

ポールの接着


 3Dプリンタで出力したホルダパーツが下の写真です。
 「デルタ式3Dプリンタの静音化」の記事で書いたようにステッパーのドライバを変更することで3Dプリンタを静音化したので夜中でも出力ができるようになり、プリンタの稼働率が以前よりかなり上がりました^^

出力したホルダパーツ


 下の写真は組立後の写真です。
 裏面の接合部もきっちりハマっています。PETGの場合、積層間の接着力はABSと比較し、かなり強いのでこのような組立構造の場合に使うフィラメントとしても適していると思います。

完成したホルダ 完成したホルダ(裏側)



★2020/08/17 追記 {
 実際に使用してみるとスプールの淵がスリップして受け側のポールが回らないことがあったのでポールの径を大きくすることでスムーズに回るようになりました。

改善版(CAD) 改善版
}


 今回作成したスプールホルダのSTLファイルは下記からダウンロード可能です。
 使用したベアリングは外径19mm、幅6mm、内径6mmの品番 626ZZ のものです。
 商用目的以外であれば使用可能とします

★2020/08/19 Ver0.03
 ポール表面の微妙な凹凸でスリップするようなのでポール分割を一体化し、ベアリング結合部を分割することでポール表面をきれいに出力できるようにした

★2020/08/17 Ver0.02
 ポール径を大きくし、淵のスリップ問題に対処



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