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中国製オルガニートの購入(その5) [MusicBox]

 MusicBox を購入してからそれほど使っていないのですが、演奏中にテープがスリップして一定速度での再生が難しくなってしまいました。orz
 最初は自作テープの厚さが適切ではないことが原因と思っていましたが、MusicBoxに添付されていた純正のテープでも滑るので MusicBox 本体側が原因のようです。

 MusicBox を確認してみたらテープを送り出す上側のシャフト(下の写真の丸印部分)が若干上下にガタがあり、テープのサポート力が弱まっている状態でした。

問題のシャフト部分(赤丸印)



 添付されていた純正のテープの厚さの実測値は 0.35mm ですが 0.40mm の工作用紙等でテープの自作を試してみたのがシャフトのサポート部分の摩耗を早めた可能性もあります。
 その2その4で紹介した模造紙2枚重ね方式では厚さが 0.30mm なので MusicBox に悪影響はないはずです(でも薄い分純正のテープより滑り易い)
 「厚めのテープを使用すると MusicBox が壊れる」とか「中国製の安価な MusicBox は使っているうちにテープが滑るようになった」等のコメントがネットにもありました。

 問題の原因が解ったのでシャフトのガタを抑え込むアタッチメントを 3Dプリンタで作成してみました(MusicBox のフレームに穴を開けてピアノ線を取り付ければ楽なのですが本体を加工したくない)

 MusicBaox にはテープを上から抑え込む可動部分とそれにテンションを与えるためのピアノ線が付いているので、シャフト用アタッチメントの取付方法が悩ましいところです。MusicBox のフレームにある丸いくぼみを利用して固定するようにしました。

シャフト用アタッチメント



 シャフトにテンションをかけるためには 0.8mm 程度のピアノ線がいいのですが、手持ちになかったので安全ピンを使いました。

シャフトアタッチメント(左側) シャフトアタッチメント(右側)


 結果としてテープの滑り問題は解消しました(^^)/。また、シャフト穴が楕円で上からテンションをかけているので、当初よりもテープの厚さに対する許容範囲が広がったのではないかと思います。 ^^

 最後にテープの適切な厚さについてですが、純正テープのように 0.35mm で均一であることが理想ですが、テープを繋ぎ合わせて自作する場合、連結部分でクランクの回転が重くなることが演奏時に問題になります。
 ホールを開ける領域については MusicBox の構造上、オルゴールを鳴らすピンが引っかかればいいので 0.35mm よりも薄くでも良いようです。テープの両端の 4mm の部分に関してはスピンドルのローラとの接触部分なのでなるべく 0.35mm に近いようにして、かつ段差が無いようにする必要があります。

 そこで画用紙2枚重ね(厚さ 0.30mm)で連結部分のホール領域はメンディングテープで連結し、テープ全体の両端 4mm の淵の部分には裏側にマスキングテープを張る(厚さ 0.35mm で段差ができない)のがいいのではないかと考えています。テープは淵の部分が傷み易いのでマスキングテープであれば容易に貼りなおせるというメリットもあります。

 シャフトアタッチメントのSTLファイルは ここ からダウンロード可能です(商用利用以外であれば自由に使用可能)



★2017/08/20 追記
 上側のシャフトにアタッチメントを付けた状態で手持ちのミュージックテープ(英語では "paper strip" と言うようです)を演奏してみました。スリップ問題はかなり改善しましたが購入当初と比べると若干滑りが発生し易い状況でした。

 考えてみると上側のシャフト受け部分と同様に下側のシャフト受け部分もすり減っているはずです。その証拠にシャフト受け部分に付けた潤滑剤は下側シャフトの方も黒く濁っています。

 テープのスリップ問題を解決するための最善の方法は上下のシャフトが引っ張り合うようにすればいいということになります。
 それならば3Dプリンタの出番はなく、下の写真のように安全ピンでシャフト用スプリングを作りました(右上のパーツが MusicBox 用に加工したスプリング)。

シャフト用スプリング



 MusicBox に取付けた状態が下の写真です(当然逆側にも同じように付けました)
 これでテープの滑り具合は購入当初と同様になりました(テープの厚さに対する許容範囲が広がり、状態は向上しているはず)
 製品には最初からここにバネを付けておいて欲しいものです。

スプリングの取付




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中国製オルガニートの購入(その4) [MusicBox]

 「中国製オルガニートの購入(その2)」の記事で MusicBoxManiacs のwebサイトで提供されている環境を使ってオルガニート(Hand Crank Music Box)用のテープを自作する方法を書きましたが、今回は同webサイトからダウンロードできる DXFファイルを利用してレーザーカッターで簡単にテープを自作する方法について書いてみます。

 私のレーザーカッター は大きなサイズのものはカットできないので上記webサイトからダウンロードしたDXFファイルを分割する必要があります。
 そこでレーザーカッター用にDXFファイルを分割するツールを作ってみました。

 ツールは Windows10 に入れた mingw & msys 環境で perl言語を使って作成しました。処理の概要は次のとおりです。

  1. DXFファイルのパース
     DXFファイルのフォーマットは結構複雑なのでヘッダー情報等はオリジナルのファイルのものをそのまま抜き取って使用している。
     オリジナルファイルから次の情報を抽出する。
    • ヘッダー等の固定情報
    • パンチホールの位置情報

  2. 単位系の変換
     オリジナルのDXFファイルはインチ単位の数値になっていてレーザーカッターやFreeCADで読込むとミリ単位の数値として処理されてしまったので 25.4 倍してmm単位に変換する。

  3. X-Y軸の入れ替え
     私のミニレーザーカッターはX軸よりもY軸の方がカット範囲が広いのでオリジナルはテープが横方向になっているが縦方向に変換する。

  4. DXFファイルの生成
     レーザーカッターでカットできるサイズに分割してDXFファイルを作成する。テープはカットした紙を 2枚重ねして作成するのでDXFファイルも front 用と back 用の2種類のファイルを生成できるようにしている。 -b オプション指定で back 用のDXFファイルが生成される。
     また、セロテープ等で繋ぎ合わせると演奏時に回転ハンドルがつなぎ目で重くなるので糊だけで繋ぎ合わせられるように分割のジョイント部分の位置を front と back でずれるように分割している。

 カットしたものが次の写真です。

レーザーカッターで切り取ったテープ



 文字で説明するより見た方が判り易いので YouTube にテープ作成作業の概要をアップしました。
 久々の YouTube へのアップですが Windows10 にしたら MovieMaker がなくなっていたので焦りました・・

https://youtu.be/GuoKIGkfxXo


★2017/08/15 追記
  MusicBoxManiacs のwebサイトからダウンロードできるミュージックテープ作成用の DXFファイルはまだ試行的なもので問題や利用例があれば連絡してくださいという旨がweb上に書かれています(DXFファイルexport機能のリリース通知は2017/05/23付けになっている)。
 実際、利用例としては CNC で穴あけしているショートビデオが1件あるのみです。今回のレーザーカッターでのテープ作成工程を YouTube にアップしたことを MusicBoxManiacs のスタッフに連絡したところ、Videos のページ に YouTube にアップした作成ビデオを追加してくれました。

★2017/08/15 追記
  MusicBoxManiacs の Website のトップページには Videos ページに登録されたコンテンツの一つが自動的に切り替わり表示されるようで、今見たら私の YouTube 動画が表示されていたので記念に貼っておきます。
 現在 4549 人のユーザーが登録されていますが、日本人は数名しかいないようです・・

MusicBoxManiacs のトップページの一部


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中国製オルガニートの購入(その3) [MusicBox]

 ebay で購入した中国製オルガニートはオルゴールユニット単体での販売なのでケースに入れていい音で聞いてみたいものです。

 ケースの材料を百均で探していたらジャストサイズの木製ケース(もちろん100円)がありました^^
 蝶番で蓋を開閉できてマグネットで締まる構造で本型にデザインされています。

百均の木製ケース



 手回しハンドルとテープの出入り口用に穴開けすればすぐに使えそうです。オルゴールユニットには 2.5mmのネジ穴が4つあったのでM2.5のネジで固定できます。
 テープの出入り口用に四角い穴を開ける必要がありますが、きれいに開ける自信がないので3Dプリンタでテープ出入口用のアタッチメントを作りました。
 これで四角の穴あけが少々汚くなってしまっても隠せますw

テープ出入口用アタッチメント


 また、オルゴールユニットをネジ止めする際の丁度いいワッシャーがなかったので3Dプリンタでワッシャー(ケースの足を兼用)を作成しました。

ユニット固定ネジ用足 足とネジ



 後はケースに穴開けなどの加工を行ってオルゴールユニットを取り付けるだけです。
 無地のままでは殺風景なのでレーザーカッターで文字や絵を入れてみました。
 最後にニススプレーで仕上げました。

ケース正面 ケース背面


ケース内側 テープ設定状態



 ケースに入れたことで今までより音が数倍大きくなり夜に演奏すると近所迷惑になりそうなくらいです。
 さっき完成したばかりなのでまだあまり演奏していませんが後日明るい時間にゆっくり聞いてみたいと思います。

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中国製オルガニートの購入(その2) [MusicBox]

 オルガニートがあると演奏用テープを自作したくなりますねぇ
 前回の記事でYouTubeにあった「オルガニート編曲方法 [入門~上級] かえるのうた」の内容を基に編曲までできたことを書きましたが、今回は現時点で発見できた最も簡単な中国製オルガニート(30 note)用の自作テープの作り方についてメモしておきます。

 使用するツールは MusicBoxManiacs のwebサイトで利用できる環境です。

  1. テープ材料の用意
     オルガニートに添付されていた生テープの厚さは 0.35mm(実測値)なので前回の記事では 百均 で見つけた「工作用紙」 320x450mm 厚さ:0.40mm(5枚入り) が使えそうと書きましたが、パンチデータをプリンタで印刷する必要があるので百均で見つけたA4サイズ 寒色系特厚模造紙(20枚入り、厚さ:0.16mm)を2枚重ねで使うことにしました。
     2枚重ねで厚さが 0.32mm になるので丁度いい厚さになります。接着用の糊はなんでもいいのですが手持ちにあったスプレー糊(下の写真左側)を使いました。

    テープ材料の模造紙

  2. テープ化する音符データの作成
     MusicBoxManiacsでテープ化したい音符を作成します。適宜再生して確認できるので試行錯誤的に効率よく作成できます。
     また、現時点の状態をセーブ可能で過去の状態に戻ることもできるので大胆な変更も気兼ねなくできます。
     下図は編集画面例です(右上にハンドル名が表示されていますがハンドル名をwcinpからskyriverに変更しました)

    音符データの編集画面

  3. 音符データのPDF出力
     作成した音符データをPDFファイルとして出力します。
     MusicBoxManiacsでは公開されている音楽についてもテープ作成用にPDFをダウンロードできますので 30note のオルガニート用のテープ作成データの宝庫と言えます。

    PDF出力例

  4. PDFの印刷
     上記1項で用意した模造紙に印刷します。プリンタでPDFファイルをそのまま出力するとテープ幅が 65.15mm(添付されていた生テープの幅は 70mm)だったのでプリンタの設定で 1.07 倍に拡大してプリントしました。
     印刷後、裏側に糊でもう一枚を重ね合わせて接着します。模造紙は色付きなので表面と裏面の色を色々変えて色の組み合わせも楽しめます(下の写真では白っぽく見えますがライトグリーンの模造紙に薄紫のものを張り付けました)。

    模造紙に印刷

  5. 切抜き、連結後穴あけ
     後は印刷に沿ってテープを切り抜き、1本に繋げます。テープの連結はマスキングテープを使いましたが、演奏時に繋ぎ目で回転が重くなるのでマスキングテープより薄いセロハンテープメンディングテープで連結した方がいいかもしれません。
     下の写真は穴あけまで完成したテープです。

    完成したテープ



 以上が自作テープの作り方の簡単な説明になります。MusicBoxManiacs のサイトでは PDF 以外に DXF形式のファイルへの変換もできるので大きなCNCルーターがあれば穴あけまで自動でできます(私のCNCミニルータやレーザーカッターは小さすぎて難しい)

 最後に YouTube にあった「オルガニート編曲方法 [入門~上級] かえるのうた」の内容を基に「赤い花白い花」という曲を生まれて初めて編曲し、実機で演奏したものを貼っておきます(そのうち削除するかも)
 つなぎ目で回転が重くなる(セロテープメンディングテープ※1で連結すれば改善されるでしょう)こともあり一定速度でゆっくり回転させるのは結構難しいです。
 また、録音も手回しの音が入ったりで何回かリトライしました。

※1 セロテープは経年変化で接着剤がベトベトになるのでメンディングテープがいいようです。




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中国製オルガニートの購入 [MusicBox]

 ebay でテープに楽譜情報を記録し、自由に音楽を演奏(再生?)できるオルゴールを見つけたので購入してみました。
 15音と30音の二つのタイプがあったので30音のものを選択してポチリ^^

 まるでプログラムを紙テープに記録する(ふる~w)ように楽曲情報を記録したテープを読ませることでオルゴールが鳴ります。
 穴開け用のパンチャーと生テープが3本ついていました。テープ自体は厚紙に穴開けのための線が引いてあるものなので厚紙から自作することも簡単だと思います(でも穴を開けるのが難しい)。


Hand Crank Music Box Musical Movement 届けられたMusicBox


 ネットで調べてみると日本語では「オルガニート」と呼び、昭和45年に日本で開発されたもののようです。日本製のものは20弁と33弁(上記では「音」と記載しましたが「弁」が正しいようです。英語では「Note」とかかれていました)の2種類があるようです。
 オルガニート愛好会の発起人でありオルガニート演奏の第一人者でもある宮本由利子さんのホームページ「やさしいオルゴール」に関連情報がまとめられています。

 YouTube にもいろいろアップされていて、オルゴールなので Elfen Lied - Lilium (on a music box)にもあるようにアニメのエルフェンリートの曲が多数あります。
 海外でも(むしろ海外で?)人気のアニメなのでしょう・・・私も好きです。

 テープに開けた穴の情報でオルゴールが鳴るのですがこれを作るのがなかなか大変です^^;
 ネットで探しても音楽なので著作権の縛りが強いせいか穴開け用のデータはなかなか見つかりません。
 ebayでは30 note 用の穴開け済みのテープを1つ150円程度で販売されていて1曲ポチりました(もうすぐ届くはず)

 iPhone用(android用もある)アプリとしては「Music Box Composer」がありましたが¥720なのでポチっていませんw

 Webアプリとしてパソコンからもフリーで使える「MUSICBOXMANIACS」というサイトを見つけました。
 下図は赤い鳥というグループが歌っていた「赤い花白い花」の主旋律を入力しているキャプチャです。^^
 (右上のwcinpは私のtwitterアカウントです)

MusicBoxManiacs



★2017/07/10 追記
 注文していた穴開きテープが届きました^^
 どういう風に送ってくるかと思っていましたが、折りたたんだ状態で届いたので皺が・・
 早速、オルガニートに読ませてみましたが折り目の箇所でジャ~ンという以外何も聞こえません。

 よく見てみると穴が開いているのではなく、黒丸印が付いているものでしたw
(生テープと同じ価格だったのはこのためか・・)
 皺の部分は裏にマスキングテープを貼れば大丈夫だと思いますし、穴開け作業は印が付いていればすぐにできるので問題ありません。

 購入した曲は「Castle In The Sky」(天空の城ラピュタ)です。追加で「カノン」もポチっておきました^^

 百均でテープの材料になりそうなものを探してきました。オリジナルのテープの厚さは 0.35mm(実測値)でDAISOで見つけた「工作用紙」 320x450mm 厚さ:0.40mm(5枚入り) が使えそうなので買ってきました。

p.s.
 amazonでも中国製オルガニートを販売していますね(ebayよりは割高だけど)
 今、amazonを見ようとしたら繋がらないのでtwitterで確認したら「プライムデー」で人が殺到しすぎて繋がらなくなっているとのことです。

 amazonらしからぬ出来事ですね。


★2017/07/15 追記
 YouTubeの「オルガニート編曲方法 [入門~上級] かえるのうた」に編曲の仕方の説明があったのでこの情報を基に「赤い花白い花」を自分なりに編曲してみました。
 初めての編曲にしてはなかなかいい出来だと思います^^
 30 note テープでのパンチデータは下図になります。

RedAndWhiteFlowers


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