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ポケコン(PC-G850)用小型シリアルケーブルの作成(その3)ケースの検討 [ポケコン]

 前回の記事に追記したように届いたプリント基板は今回新規作成したフットプリントのピン番号のアサインに誤りがあったことから修正版を製造依頼中です。修正したプリント基板が届くまで時間が掛かることから前回の基板を使ってケースを検討してみました。

 折角プリント基板にして小型化したのでなるべく小さくまとめたいところですが、今回はPC-G850(以降、ポケコンと記す)の下側にカバーを付けた状態でも接続できるように考慮します。
 プリント基板の3Dデータを DesignSparkPCB から取り込み、更に初回の記事で書いたピンヘッダガイドの STL ファイルも取り込んでサイズ合せしながら設計したものが下図になります。ポケコンに接続した際に上側になる部分にはロゴマークと文字を入れてみました。

USBシリアル変換ケース1(CAD画面)


 下図は USB ピンヘッダ側のキャップを外した状態でキャップです。

USBシリアル変換ケース2(CAD画面)


 キャップの固定はネジは使わずはめ込み式で下図のように上下の爪で固定するようにしています。

USBシリアル変換ケース3(CAD画面)


 ケース上面に付けた文字のサイズが小さいので 0.4mm のノズルの FDM 方式の3Dプリンタでは出力が難しいと思います。また、FDM 方式のプリンタで出力すると外観が如何にも試作風なので今回は久々に SLA 方式の3Dプリンタでケース作成にチャレンジしてみたいと思います。

 始めに PETG フィラメントを使って FDM 方式の3Dプリンタで試し印刷をしてみました。下図は側面の写真です。形状が単純なので FDM 方式でも結構綺麗に仕上がっていますね。PETG フィラメントを使用したので強度的にも問題無さそうです。

FDM 方式での試し印刷(側面)


 下図はピンヘッダ面になります。USB コネクタ及びピンガイド部分も問題無いですね。

FDM 方式での試し印刷(ピンヘッダ面)


 下図は SLA 方式でのスライシングソフトである CHITUBOX でスライスする際の画面です。 SLA 方式のスライスではこのような形状のものは斜めにしてスライスするのが一般的ですが、今回はケース面を直接プラットフォーム面においてサポート無しの状態で造形しました。

SLA 方式でのスライシング


 基板にはシリアルデータ送受信状態のモニタ用の LED も実装しているので透明のレジンを使用しました。下図が出力結果です。通常の透明レジンを使用しているので白く濁っている感じですね。

SLA 方式での試し印刷(側面)


 下図はピンヘッダ面です。透明度はそれほど高くなく、プリント基板のシルク印刷文字が読めない状態です。

SLA 方式での試し印刷(ピンヘッダ面)


 クレオの Mr.COLOR UV Cut 光沢(GX112) をエアブラシで吹き付けた後の写真が下図です。若干透明度は高くなっていますがあまり変化ないですね^^;
 何度か重ね塗りすればもっと透明度が上がると思います。文字の刻印を入れているのでコンパウンド等では磨き辛いです。

UV コーティング後 SLA 方式での出力(側面)


 下図がピンヘッダ面です。プリント基板上の文字も相変わらず読めない状態です。

UV コーティング後 SLA 方式での出力(ピンヘッダ面)


 気になる刻印部分の写真が下図です。写真では文字が読みづらいですが、目視ではちゃんと読めます。流石 SLA 方式ですね。

UV コーティング後の刻印部分


 試しに JLCPCB さんの 3D Printing サービスで本ケースの STL ファイル(キャップと本体)で価格を確認したところ送料を含めない価格が
  • White(LEDO 6060 Resin)
     $0.60 / 1個
  • Transparent(8001 Resin) Serface Finish:Yes
     $4.02 / 1個
でした。透明レジンの場合、表面処理が自動的にオンになります(表面処理無しでは透明度は低いと推測される)。


【結論】
 SLA 方式の3Dプリンタで透明レジンを使ったケースの作成について検討してきましたが、手間が掛かった割には思ったようにきれいに仕上がらず、透明度も低い状態でした。またレジンではケースとしての強度も物足りない様に感じます。もっと高価な透明度の高いレジンや ABS ライクなレジンを使えば違う結果が得られる可能性はありますが、なるべく安く仕上げたいのです。
 これらのことから今回開発中の USB シリアル変換のケースは透明のフィラメントを使って FDM 方式の3Dプリンタで作りたいと思います。今回のような「プリント基板上の LED の状態が見えるようにする」という条件が無ければ異なる結論になるかもしれません。


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