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小型ミシン(Cute)の修理 [修理]

 9年前に購入したおもちゃのような小さなミシンを久々に使ってみました。AC アダプタとフットペダルが付いて2千円ちょっとでした。

2014年5月に購入した小型ミシン(Cute)


 しかし、いざ電源を入れてみると動きがスムーズでは無く周期的に引っかかる感じだったので分解してみました。中を覗いてみるとその構造に圧倒されました。すごぃ・・・
 構造もさることながら AC アダプタとフットペダルまでついて2千円というのもすごいですね。

分解時の様子


 中の部品を確認するとギアが割れていて割れた部分の歯の間隔が広いせいで受け側のギアがその箇所で引っかかる状態でした。

破損したギア


 幸いにも大きめで低速回転のギアだったので3Dプリンタで作ってみることにしました。現物を採寸し、CAD入力したものが下図です。

CADで設計したギア


 下の写真は黒色の PETG フィラメントで出力したギア(右側)と破損したギア(左側)です。大きめのギアなので 0.4mm のノズルでも問題ありませんでした。また、PETG なので元々のギアと比較して強度的にも大丈夫そうです。

破損したギア(白)と作成したギア(黒)


 作成したギアに入れ替えた後は動きもスムーズになりました^^

ギアの交換後


 組み立ててみたところ、下糸が全く出てきません。構造を確認したところ、下糸の部分にある上糸を引っ掛ける機構(釜)と針の上下運動とのタイミング調整が必要なことが判り、ネットで探したところ、「ジャガイモの工具箱」ブログの「マクロスキュートミシン改造」の記事に有用な情報があるのを見つけました。先人の情報公開に感謝です。

 釜の爪の位置調整は上記の記事の情報通りに針が最も降りた時点で下図のように調整しました。この位置から前後のギアの歯に入れた場合も評価しましたが、この位置が最も動作が良好でした。

釜の爪の調整位置


 上記の記事には電源部にコンデンサを追加することでモーターへの瞬間的な負荷に対する耐性が増すということも書いてあったので、手持ちの 16V 1000uF の電解コンデンサを追加しました。コンデンサはタイラップで固定していて、コンデンサを締め付けるのは良くないので納豆ケースから切り取った帯を巻いた上でタイラップで固定しています。配線はギアに絡まないようにホットボンドで固定しました。

追加コンデンサ実装後の状態


 しかし、時々縫い目に下糸が絡まないことがあり(この症状は以前にもあったが頻度が増した)、本調子ではないようです・・


★追記 2023/12/02
 針を固定し直したり何度も試行錯誤しているうちに調子が戻りました^^
 何が原因だったかは明確ではないですが、今まで上記の分解写真の右下の大きなギアでタイミング調整していましたが、今回交換したギアとポールの逆側のギアとの位相差(1/3ギア=360/9/3°程度ずれている)が原因である可能性があります。針の右側には釜の爪が通るくぼみがあるので針が一番下から少し上昇した時にそのくぼみに爪が入るようにするといいようです。

針と釜の爪との位置関係


 戻し縫いと数種類の縫い目に対応したもう少し高級な玩具ミシンが Amazon で5千円弱で買えるのでもう少しでポチリそうになりましたが復活して良かった。因みに AliExpress で同様のものが円安などの影響で7千円以上で円安前に仕入れた Amazon 業者との値段の逆転(AliExpressの方が高い)が発生しているようです。
 ミシンの調子が復活すれば裾上げもあっという間に完了です。コンデンサ追加の効果かは判りませんが、継ぎ目のところもミシンで走破できました。

裾上げ例(裏側から見た様子)



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