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OnebitLoaderでPIC16F88書き込み時のエラー対処 [PIC]

CNCルータでの両面基板制作(その2) Via処理と基板制作」の記事で書いたCNCルーターで作成した PIC16F88 のSSOPパッケージを実装した両面プリント基板に OnebitLoader で書き込もうとしたところエラーが発生することがあったのでOnebitLoaderを修正しました^^;;

 修正版(Ver0.08e)は

ブートローダ(OneBitLoader)の製作

のウェブサイトからダウンロードできます。
 また、PIC16F88用の Serial.h に OnebitLoader 用のI/Oビットを変更する際のサンプルを追記しましたのでOnebitLoader用のI/Oビットを変更したい場合に参考にしてください。

 「CNCルータでの両面基板制作(その2) Via処理と基板制作」で作成したプリント基板の状況ですが、HT7750Aから5Vが出力されない状態でした・・
 調査した結果、トップ面とボトム面のグランドのベタパターンが接続されていないことが原因でした ^^;;;

 対処としてコネクタに出ているグランドのピンをトップ面でも半田付けすることで両面のグランドを接続し、OnebitLoaderでのフラッシュメモリへの書込みが出来るようになりました。


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両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式 [PIC]

 引き続きピン間隔 0.65mm のSSOPパッケージのPIC16F88を実装する両面プリント基板の製作状況ですが、今回はオブラート転写方式で問題なくパターンができたので書いてみます。また、ソルダーレジスト処理もやってみたので状況を書きます。

 まず、初めにSSOPパッケージ付近のパターンを見直し、SSOPのピンから平行に引き出していた配線パターンにビアを打っていた部分をなくし、パターン間隔を広げてからビアを打つようにしました。
 こうすることで配線幅を0.25mm から0.30mm(CNCでパターン作成し易くするため)、ビアの直径を0.70mmから0.85mm(CNCで穴開けする際の位置ずれマージン拡大のため)にしてパターンを作り易いように変更しています。
 また、OneBitLoaderでPICに書き込む前提だったので 最初の Pickit での書込みをあまり考えていませんでした。
 「両面プリント基板の制作実験(その4)」で書いた回路図ではプルアップ抵抗を省略するためにRA5/MCLR/VPPピンとRB2を接続していましたが、PicKit3で書込み確認したところ、この状態では書込みがエラーになってしまうので直接接続ではなく10Kの抵抗で接続するように変更しました。
 RB2をコネクタに出さずにRA5をプルアップするだけでも良いのですが、RA5を入力として使う場合、ソフト制御でプルアップ/プルダウンできる分、自由度が増すかなぁ(そんな使い方はしないけど)と思いちょっとイレギュラーな接続にしています。

見直した回路図(DesignSparkPCBで作成)

★2017/11/06 追記 {
 R2が10Kではスイッチ状態をRB2では読めず(ON状態で2V程度で入力値は1)、R2を1Kくらいにする必要があります(今回はRA5で読むようにした)
}

 出来上がったパターン図は下図のようになりました。追加した10Kの抵抗はトップ側のコネクタの間に配置しています。

トップパターン ボトムパターン



 前回の記事ではオブラート転写方式について「エッチング時間を調整すれば実用可能な気がします」と書きましたが、やはりエッチング時間を調整にすることでエッチング後に断線やショートもないパターンができました。

 SSOPパッケージの回路パターンはオブラート転写方式でも十分作れることが判りました。
 ベタパターン部分に小さなホールが開くことがありますがエッチング前のチェック時にマジックで補正すればある程度防げます。

 また、配線パターン上にホールが発生して断線することは(今まで)なかったのでホールはベタパターンに発生しやすいものと思います。
 ホールの発生原因の詳細はまだわからないので改善対策も考えついていませんがあまり悪さもしないので現状はこのままにしています。
 基板にアクリル系の塗装をしてからトナー転写後、トナーの付いていない部分の塗装をアルコールで取り除く方法をネットで見つけ、原理的にはなるほどと思い、実際にやってみましたがトナーがアルコールで落ちてしまいうまくいきませんでした・・

 因みに上記のようにビアサイズを変更した結果、エッチング後のビアパターンの前後比較は下の写真のようになりました。

前回のビアパターン例 今回のビアパターン例



 それではオブラート転写方式でのプリント基板の作成作業の概要を順を追って書いてみます。

  1. コピー用紙へのオブラート貼り付け
     スティック糊(シワなしPiT)を使ってコピー用紙にオブラートを貼り付けます。
     張付け後、すぐにまだ温まっていない状態のラミネータに2回通します。この時ラミネータのローラーに貼り付かないように転写用シート(シールの台紙のような転写用シート)をかぶせます。
     ラミネートを通した後、剥がした転写シートは再利用可能です。

    トナー転写用に使ったオブラート(Amazonで購入)

  2. トナーの転写
     オブラートを張った後、少し(10分以上)時間をおいてから(時間を置かないと印刷時の熱でオブラートが伸びてパターンに亀裂が入る)オブラート部分にページプリンタでパターンを印刷し、パターン部分をきれいに切り取ります。
     切り取ったパターンをCNCで切り出した両面基板に位置ずれしないように注意しながらマスキングテープで基板の隅を固定します。
     固定した状態のものをコピー用紙で挟みラミネータ(「OHM A4 パーソナルラミネーター LAM-438」を使用)の温度切り替えスイッチ「Ⅱ」で3回程度通します。

    印刷したパターン(切取り中) 基板への印刷パターン固定

  3. 紙剥がし
     ラミネータに通した後、温度が冷めてから水に2~3分漬けます。
     コピー用紙に水がしみてくるとオブラートが(エイリアンのネバネバのような)ゲル状になるので紙を静かに剥がします。
  4.  残ったネバネバは水を流しながら指先で軽くこすると簡単に流れ落ちます。
     また、エッチング前に転写したパターンをチェックし、必要であればマジックペンでマスクを修正します。
     下の写真はマジックで修正前のものです。

    トナー転写結果(トップ) トナー転写結果(ボトム)

  5. エッチング
     エッチング液に浸しエッチングします。私はトナーが付いていない部分がピカピカ反射しなくなるのを目安にしていますが、エッチング過剰(断線等)よりはエッチング不足(ショート)の方が対処し易いし、不足の場合はそのままエッチング液に付ければ継続できるのでエッチング過剰にならないように注意しながら作業します。
     エッチング後はグランドのベタパターンと信号パターンが絶縁できているか、信号パターンが導通しているか、他の信号パターンと絶縁しているか等を確認します。

    エッチング結果(トップ) エッチング結果(ボトム)

     今回のパターンで最も混み入った部分であるSSOPのピンの部分拡大写真が下の写真です。特に問題なくきれいにできています。^^

    SSOPのピン部分の拡大

  6. ソルダーレジスト
     今まで自作したプリント基板にはフラックスを塗布していましたが、べたついた感じで半田付け時に汚れたり、フラックスがほとんど取れてしまったりしていたので今回は ebay で安く売っている(10mlで200円弱)PCB UV Curable Solder Maskを使ってソルダーレジスト処理をしてみました。

    UV_SolderMask


     マスクパターンの印刷シートは ebay から購入した「Inkjet &Laser Printing Transparency Film Photographic Paper For DIY PCB」を使っています。
     マスクはページプリンタで印刷したものを2重にして使いました。

    ソルダーレジストマスクの印刷

  7.  プリント基板にレジストのペーストを少量付けた後に透明シート(上記のプリント用シートを使用)を被せてなるべく均一になるように伸ばします。
     厚く塗りすぎると感光しても基板に接している部分が固まらず透明シートを剥がす時にレジスト膜がシート側に付着してしまうことがあります。


     伸ばした後は上に感光マスクを乗せてその上にガラス板を被せて紫外線を当てて感光します(私の環境では薄く塗った場合2分程度、厚めの場合3分程度でした)


     感光後にアセトンをしみ込ませたティッシュで拭き取ると固まっていないマスクした部分のレジストを取り除けます。


     最後にマスク部分を取り除いたものを再度感光しレジスト剤を完全に固めます。一旦固まると剥がすのが困難になります(剥がすというより削る感じになる)

     回路パターンよりは難易度はかなり低いですが、注意点としては

    1. 小さなマスクパターン部分は拭き取るだけでは取れないので尖ったもので剥がしとる。
    2. 感光不足だと透明シートを剥がす時にレジストがシート側についてきて部分的に剥がれてしまう。
    3. かといって感光しすぎるとマスク部分が剥がしづらくなるのでレジストの塗布は薄い方が作業しやすい(見た目も重視すればそこそこの厚さがいい)

     ソルダーレジスト処理後が次の写真です。トップ面はレジストを薄くしすぎたかも・・

    ソルダーレジスト結果(トップ) ソルダーレジスト結果(ボトム)


     ソルダーレジストするとプリント基板の銅面の酸化などに対する耐久性も上がりますし、何よりも見た目がプリント基板らしくなります w
     ペースト状ではなくフィルムのレジストで感光後removerで溶かすタイプのソルダーレジストならば、塗布の村が出来ずきれいに仕上がりそうですが、ebay 価格でも値段が高いです・・・

     また、酸化対策という意味では YouTube等ではスズメッキ処理する動画がありますが、必要な薬剤が ebay 価格でも高いのでまだ試していません。


 以上が今回行った手順の簡単な説明で、オブラート転写方式でシルク印刷もどきを行った後、CNCで穴開けする予定です。
 シルク印刷もどきについては、ページプリンタで黄色で印刷したものをオブラート転写方式で転写するつもりですが、PDFの印刷パターンを黄色に変換するやり方を調査中です( Inkscapeで黄色にしたら何故か解像度がガタ落ちした状態になった・・・)
 まぁシルク印刷はなくてもいいかなぁとも思っています。

★2017/10/04 追記
 PDFファイルのシルクデータをInkscapeで黄色にできたけどソルダーレジスト面にトナーを転写しようとしても表面がツルツルなのでうまく転写できないことが判りました^^;
 トナーではなくもっとべっとりしたものじゃないと駄目ですね・・・

★2017/10/09 追記
 Viaの処理についてですが、ドリルで 0.30mm の穴を開けて(手作業では無理なのでCNCで開けた)、その穴に 0.20mm の銅線を通して半田ペーストを塗ってからヒートガンで半田付けしてみました。
 結構細かい作業になりますが、ヒートガンでまとめて半田付けするので1本づつ半田付けするよりは効率的・・かなぁ~w
 因みに0.20mm のホールに0.20mm の銅線は通りませんでした。

Viaホールに通した銅線 半田付け後


★2017/11/09 追記
 「CNCルータでの両面基板制作(その2) Via処理と基板制作」の記事に改善したVia処理方法(曲げ固定Via処理法)を記載しました。

★2017/10/09 追記
 CNCでの両面基板作成検討状況を「CNCルータでのモーターノイズ対策とPCB制作」の記事に書きました。

★2017/11/24 追記
 このブログは関連記事へのアクセスがし辛いのでどうにかしたいとは思っているのですが、メンテも面倒になるので対応できていません・・(今のところタグ検索でたどり着けるようにはしているつもり)
 この記事で記載したオブラート転写方式のブログデビュー記事(=ネット初公開記事)は「両面プリント基板の制作実験(その3)」になります。


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両面プリント基板の制作実験(その6) [PIC]

 この辺で今まで試みてきたプリント基板自作でのそれぞれの方法における現状をまとめておきたいと思います。

 まず、目標としているパターンの精度についてですが、PIC16F88 の SSOP パッケージを使うことを前提としているのでピン間隔が 0.65mm のパターンが作れる精度が目標です。

 このPIC16F88の SSOP パッケージ品は結構前に秋月電子通商さん(秋葉原店)で購入したものですが秋月さんのWEBサイトを見たら今は販売していないようです・・ということは半田付けまで試せるのは1回こっきり?? ^^;

 Microscope でICパッケージのピンの部分を撮ったものが下の写真で、確かにピン間 0.65mm くらいです(右側の境界線が実際より少し右側になったので計測値は若干大きめに出ている)。

SSOPパッケージのピン間



 初めから目標が少し高かったような気もしますが、色々試行錯誤したおかげで今ではこれよりピン間が2倍サイズのハーフピッチであれば作る自信があります。


 初めにページプリンタのトナー転写方式ですが、「両面プリント基板の制作実験(その3)」と「その4」の記事で紹介したオブラートを使った独自の転写方法であるオブラート転写方式を検討中です。
 この方法は転写時に紙を剥がす工程が楽なのとトナーが100%転写されるという特徴があります。通常の転写方式よりもオブラートをコピー用紙に張る作業が追加になりますが作業的には簡単なものです(それより紙を剥がす作業がメチャ楽になる)。

 但し、オブラートを張った後にまだ熱くなっていないラミネータを通すのでラミネータが必要になります。
 ラミネータではなくローラーのようなものでも代替えできるかもしれませんが、他の転写方式の場合でもアイロンよりはラミネータを使った方が安定した結果が得られているので転写方式でプリント基板を作るのであればラミネータはあった方がいいと思います。

 オブラート転写方式でエッチングしたサンプルが下の写真です。
 ページプリンタ(NEC製 5600C)の出力は小さめに印刷されるので 1.05%倍の出力にする必要があることが後から判りました・・

オブラート転写方式 拡大写真


 右側の拡大写真は SSOP の右下のピン部分の拡大です。パターン幅は 約0.235mm で SSOPのピン間の隙間は 0.201mm になっています。(因みに断線している部分はもっとスカスカになっている)

 転写時に位置合せのために四隅に貼ったマスキングテープのため、四隅に残った銅層をなくすためにエッチング時間がかなり長すぎたこともあり、3ヶ所程度、断線が発生しました。エッチング時間を調整すれば実用可能な気がします。

★2017/10/30 追記
両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」にオブラート転写方式によるプリント基板作成の概要を書きました。


 次に CNC でのパターン作成状況ですが、「CNCルーターでのエンドミルの回転ブレ対策」で書いたようにエンドミルの回転ブレを 0.04mm 程度まで改善できたのでプリントパターンを切削してみました。パターンデータの作成環境は DesignSparkPCB + FlatCAM です。
 NCデータ作成方法の概要は「CNCミニルーターの購入(その4)」を参照してください。

 CNCで切削したサンプルが下の写真です。
 経費節約のため片面の紙フェノール基板で実験しています^^;

CNC 切削パターン例


 部分的に拡大したものが下の写真です。
 良好な部分は想定通り約 0.20mm の切削幅(写真は見づらいですが0.195mm)が実現できていますが、NG部分では 切削幅が 0.256mm に広がっていて切削に挟まれたパターンが破れています。
 これは基板面が水平ではなく、深堀された部分の切削幅が広がっているためだと思います。
 因みにこれらの切削部分のNCデータを確認したところ、少しずらして2回切削していました。

 また、四角形で深さ 0.2mm で切削したアクリル板の上に基板を張り付けたMDF合板を乗せているのでZ方向の平面調整はしたはずですが、基板貼り付け部分をよく見ると両面テープで両端を固定したため、中央が少し浮いているようでした ^^;

 どの方式でパターンをつくったにせよ、穴開けと切り出しは CNC で行うつもりなので(もう手作業での穴開けには戻れないw)CNCでパターン作成ができるのが理想ですが、Z軸の調整がまだ微妙な状態です。
 「CNCミニルーターの購入(その5)」の記事で紹介した Estlcam にはオートレベル調整機能もあるようですが、記事にも書いた通りCNCコントローラーのファーム入れ替えが必要となるので乗換える踏ん切りがついていません^^;

★2017/10/16 追記 {
 今使っている GRBLcontrol にもHeightMap という機能がありました。面出ししたアクリル板でZ軸の問題はほぼ解決済みですが、作業性を考慮し、HeightMapの利用に移行する予定です(Z軸のゼロ設定も楽になるしね)
}

良好な部分 NG(SSOPピンへの配線)


★2017/10/30 追記
 「CNCルータでの両面基板制作(その2) Via処理と基板制作」の記事にCNCルーターでのSSOPパッケージを実装したプリント基板作成の概要を書きました。


 最後にUV感光シートでのパターン作成状況を書いておきます。
 国産の感光基板は今後使用する予定はないですが、ebayでUV感光シート(ネガタイプ)が安く売られていたので試してみました。

 「カッティングマシンでプリント基板製作(その4)」の記事では高価な感光専用のアートワーク用インクジェットフィルムを使用しましたが、ebayで購入した インクジェット&ページプリンタ兼用の透明シートが届いたので使ってみました。

 ページプリンタでパターン印刷するとインクジェットよりもかなり濃く印刷されるので上記記事で書いた環境より作業性(感光時間のマージン等)が改善されます。

 最初は90秒で露光したところ、露光後光が当たっていない部分を剥がす作業で剥がれきれない部分があったので露光時間を45秒にしたものです。(露光時間は紫外線照射器具及びマスクシートの透明度等にも依存)

UV感光シートでのパターン作成


 部分的に拡大したものが下の写真でSSOPのピン部分は綺麗にできていますが、右側の写真のように微妙に残っている部分がありました。
 もう少し露光時間を短くすることで改善できると思います(ディスクリート部品のパターンであれば全く問題ないレベルです)。

SSOPピン部分(良好) 上側のソケット取付け部分


 今までの方法の中では今のところ、UV感光シートで作成したエッチングマスクがいいのですが、UVマスクの貼付け(気泡厳禁です)や感光及びエッチング後の処理が必要となり手間なので穴あけまで考えるとやはりCNCで完結するのが理想です。
 オブラート転写方式ももう一歩なので検討を続けます。


 おまけとしてレーザーカッターでのエッチングマスク作成検討中の写真を貼っておきます。
 百均で買ったマニキュアをアセトンで薄めたものを生基板に塗り、レーザーカッターで1辺が 1mm 長の矩形波模様のパターンを書いたものです。
 右側はエッチング後のものを拡大した写真です。

 エッチング部分の幅が 0.155mm ですが、エッチングしきれていない部分も多く、まだまだ先は長そうです。

レーザーカッターで書いたパターン エッチング後の拡大



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両面プリント基板の制作実験(その5)5600Cの分解 [PIC]

 2015年10月に最安値店舗から7千円を切る値段で購入したNEC製のページプリンタ(MultiWriter 5600C)を使ってプリント基板作成実験をしていました。

 ebayで購入したPhotoresist Dry film(紫外線で感光(ネガタイプ)させるエッチングマスク作成用のフィルム)で実験しようと思い、手順簡略化のために直接フィルムに回路パターを印刷しようとコピー用紙にフィルムを張り付けプリンタに入れたところ、見事に詰まりました・・・ orz

 紙自体はすぐに取り出せましたがフィルムとマスキングテープが内部に詰まっていて紙詰りのエラーが消えない状態です・・・
 保証期間(1年間)はとっくに過ぎています(保証期間内だとしても保証対象になるか微妙・・というか対象外)

 購入価格を考えると修理に出すのも割高なので分解してみようとしましたが、ネジを外してもなかなか分解できません。
 ネットで検索し、KINGYO-ASSIST事件簿のサイトの記事の情報を参考にさせていただき分解することができました。

 自力で分解していたら結構時間が掛かっていたことでしょう。この製品はコスト削減のためドラム交換も対象外で部品交換しない前提なのかネジ数は少ないですがプラスチックの爪がかみ合っていてかなり力を入れないと外れない。

 分解してみたらドラムの出口のところに感光フィルムとマスキングテープが引っかかっていました。
 感光フィルムとマスキングテープを取り除いたら、ドラム(奥の方に少し見える橙色のシリンダ)の手前の黒いシリンダ(ドラム抑え)にマスキングテープの接着材が付いていたので無水エタノールで拭き取りました。

分解後(背面側から) 分解後(少し拡大)


 念のため、ドラムも一通り拭いておきたいのでドラム上部にある部品を2個取り外して、左側面にある直径10cmくらいのモーターを手で時計回転に回し、トラムとドラム抑えを少しづつ回転させ、全体を無水エタノールで拭きました。
 清掃開始ポイントが判るようにドラムの左端の金属部分にマジックで印を付けて、少しづつ回転させながら掃除しました。
 左側の写真で左側に立てかけてある水色のコードで繋がったものは上面パネルです。

ドラム上部の1個目の部品取り外し ドラム上部の2個目の部品取り外し



 ページプリンタはトナーを定着させるために結構熱くなる(100℃以上、製品にもよりますがカラーの場合は低めの温度らしい)ので今後気を付けねば・・

 感光フィルムは ebay ではかなり安く売られているのでこれを使って表面実装パターンが出来るのであればそれでもいいかなぁ~と思い、久々にインクジェットプリンタの電源を入れて感光フィルムへの直接印刷を試みましたが、インクがはじかれて駄目でした(表面をヤスリ掛けしても駄目)。
 OHPシートにインクジェットでパターンを印刷してみましたが印刷が薄いため、結局はトレーシングペーパーにページプリンタでパターン印刷して実験してみました。
 透明度という点ではトレーイングペーパーよりもOHPシートの方がいいのですが手持ちではインクジェット用OHPシートしかなくページプリンタで印刷するのは怖いのでトレーシングペーパーにしました。
 結果としては今のところ表面実装クラスの微細パターンの作成はなかなか難しい(リード部品のパターンであれば簡単に作れると思います)

 ebay にインクジェット&ページプリンタ兼用の透明フィルムがあったのでポチっておきました。


P.S.
 DesignSparkPCBでネガパターン作成の設定が判り辛かったのでメモしておきます。

Outpt -> Output Manufacturing Plots

で表示される設定ウィンドで「Output」タグの出力先選択で「Windows」を選択するとSettingタグにある「Positive/Negative」が設定可能になり、Negative Plotを選択できます。但し、Previewウィンドにある表示は連動しません。

 出力先選択をPDFにした場合に使用される PDF generatorは photo plotter をエミュレートしているのでパターン反転選択が有効になっていないということのようですが、これは実装側の理論であってユーザー側からしてみたら使いづらいUIだと思います。
 DesignSparkPCBは他の回路CADと比較して全体としては使い易いUIであることが特徴の一つだと思っています。

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両面プリント基板の制作実験(その4) [PIC]

 暫く間が空いてしまいましたが両面プリント基板作成の続編です。
 前回の「両面プリント基板の制作実験(その3)」の最後に「表面実装部品で設計しないと両面基板のメリットが出にくいような気がする」と書いたように今回は表面実装部品を使った基板制作をチャレンジしました。

 回路としては前回同様に PIC16F88 を使用した独自方式の赤外線コントロール用の送信基板です。回路図は下図のようになります。DesignSparkPCB を使って作成しています(例によって見づらくてすみません)。
 PL3に接続される赤外線LED用の電流制限抵抗は抵抗値が赤外線LEDのVfに依存するため外付けとし、回路からは削除しました。

赤外線コントローラ(表面実装版)


 パターン設計結果は次のとおりです。前回と比較すると基板サイズが約1/3程度になりました。インダクタは手持ち部品の関係で表面実装タイプではありません。

トップパターン ボトムパターン

トップシルク ボトムシルク


 プリントパターンの転写方法としては前回紹介した独自方式のオブラート転写方式で行っていますが、今回の改善点や注意点等を記載します。

  1. オブラート貼付面の平滑化
     スティック糊(「シワ無しPiT」を使用)でコピー用紙にオブラートを張り付けた後、すぐにまだ温度が上がらない状態のラミネータを通すとオブラート面がかなり平らになります。
     この時オブラート貼り付け面には転写シートを重ねラミネートを通した後に剥がし易いようにしています。また、ラミネータの圧力調整として更に1枚のコピー用紙を重ねてラミネータを通しています(今回使用した両面基板の厚さは1.4mmです)。

  2. ラミネート後時間を置く
     オブラートを張り付けた後、時間を置かないとページプリンタでプリントパターンを印刷した際にオブラートが伸びてトナーに亀裂が入ります。今回は30分以上時間を置くようにしました(加熱後のラミネータに通して水分を抜くことも可能かも)
     でもあまり時間を置くとオブラート面に皺が出ることもあるので注意が必要です(周りの湿度も影響すると思います)。
     下の写真はプリントしたパターンの亀裂の例です。

    亀裂例 改善例

  3. 両面のパターンの位置合せ
     前回は基板の対角線上の穴を開けて、その穴に針を通してパターンの位置合せを行いましたが、今回はプリントパターンの外輪を正確に切り出し、プリント基板に乗せた状態で上下左右の隙間を等間隔にした状態でマスキングテープで四隅を固定することで両面パターンの位置合せを行いました。
     前提条件としてプリント基板の切出しサイズが正確であることが必要となりますが、今回はCNCで基板を切出しています。
     また、パターンを印刷した用紙のサイズを基板よりも小さくすることで従来からあったラミネータを通すと微妙に位置がずれる(ラミネータのローラーに基板が入る時にパターンを印刷した用紙の位置がずれる)という問題も解決しています。

    CNCで基板の切出し 位置合せの様子

  4. 転写結果
     上記で位置合せしたものをコピー用紙に挟んでラミネータを3回程通して転写しました。
     転写結果が下の写真です(クリックして拡大しないと良く見えないけど)。改善はしていますが相変わらずトナー印刷部分に小さな穴が開く現象(以降、トナーホールと記載)が発生しています。
     マジックである程度は修正していますが、パターンが微細なので超極細のマジックがないと完全な修正は困難です(amazonで極細マジックを注文しましたw)
     トナーホールはオブラート面の凹凸が原因とも思いましたが前々回の転写シートを使った転写でもトナーホールが発生しているのでページプリンタのトナーの特性が原因かもしれません(2回転写する等の改善策があるかもしれない)。

    転写結果(トップ) 転写結果(ボトム)

  5. エッチング結果
     パターンの転写結果に不安があったものの、エッチングしてみた結果が下の写真です。導通確認をしたところ、3ヶ所に断線が発生していました。orz
     四隅に若干の銅が残っている部分がありますがこれは転写時にマスキングテープを張った部分なので、エッチング前にアルコールで拭くなどすれば解決できると思います(気を付けないとトナーまで取れちゃいますが・・)。
     エッチングまで上手くいったらソルダーレジストやシルクもどき処理までやりたかったのですが、パターン転写にまだ問題があるので検討中です。^^;

    エッチング結果(トップ) エッチング結果(ボトム)


★2017/11/12 追記
 「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事にオブラート転写方式での両面プリント基板作成手順(ソルダーレジスト処理についても書いています)を簡単にまとめました。

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