両面プリント基板の制作実験(その4) [PIC]
暫く間が空いてしまいましたが両面プリント基板作成の続編です。
前回の「両面プリント基板の制作実験(その3)」の最後に「表面実装部品で設計しないと両面基板のメリットが出にくいような気がする」と書いたように今回は表面実装部品を使った基板制作をチャレンジしました。
回路としては前回同様に PIC16F88 を使用した独自方式の赤外線コントロール用の送信基板です。回路図は下図のようになります。DesignSparkPCB を使って作成しています(例によって見づらくてすみません)。
PL3に接続される赤外線LED用の電流制限抵抗は抵抗値が赤外線LEDのVfに依存するため外付けとし、回路からは削除しました。
パターン設計結果は次のとおりです。前回と比較すると基板サイズが約1/3程度になりました。インダクタは手持ち部品の関係で表面実装タイプではありません。
プリントパターンの転写方法としては前回紹介した独自方式のオブラート転写方式で行っていますが、今回の改善点や注意点等を記載します。
★2017/11/12 追記
「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事にオブラート転写方式での両面プリント基板作成手順(ソルダーレジスト処理についても書いています)を簡単にまとめました。
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前回の「両面プリント基板の制作実験(その3)」の最後に「表面実装部品で設計しないと両面基板のメリットが出にくいような気がする」と書いたように今回は表面実装部品を使った基板制作をチャレンジしました。
回路としては前回同様に PIC16F88 を使用した独自方式の赤外線コントロール用の送信基板です。回路図は下図のようになります。DesignSparkPCB を使って作成しています(例によって見づらくてすみません)。
PL3に接続される赤外線LED用の電流制限抵抗は抵抗値が赤外線LEDのVfに依存するため外付けとし、回路からは削除しました。
赤外線コントローラ(表面実装版) |
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パターン設計結果は次のとおりです。前回と比較すると基板サイズが約1/3程度になりました。インダクタは手持ち部品の関係で表面実装タイプではありません。
トップパターン | ボトムパターン |
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トップシルク | ボトムシルク |
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プリントパターンの転写方法としては前回紹介した独自方式のオブラート転写方式で行っていますが、今回の改善点や注意点等を記載します。
- オブラート貼付面の平滑化
スティック糊(「シワ無しPiT」を使用)でコピー用紙にオブラートを張り付けた後、すぐにまだ温度が上がらない状態のラミネータを通すとオブラート面がかなり平らになります。
この時オブラート貼り付け面には転写シートを重ねラミネートを通した後に剥がし易いようにしています。また、ラミネータの圧力調整として更に1枚のコピー用紙を重ねてラミネータを通しています(今回使用した両面基板の厚さは1.4mmです)。
- ラミネート後時間を置く
オブラートを張り付けた後、時間を置かないとページプリンタでプリントパターンを印刷した際にオブラートが伸びてトナーに亀裂が入ります。今回は30分以上時間を置くようにしました(加熱後のラミネータに通して水分を抜くことも可能かも)
でもあまり時間を置くとオブラート面に皺が出ることもあるので注意が必要です(周りの湿度も影響すると思います)。
下の写真はプリントしたパターンの亀裂の例です。
亀裂例 改善例
- 両面のパターンの位置合せ
前回は基板の対角線上の穴を開けて、その穴に針を通してパターンの位置合せを行いましたが、今回はプリントパターンの外輪を正確に切り出し、プリント基板に乗せた状態で上下左右の隙間を等間隔にした状態でマスキングテープで四隅を固定することで両面パターンの位置合せを行いました。
前提条件としてプリント基板の切出しサイズが正確であることが必要となりますが、今回はCNCで基板を切出しています。
また、パターンを印刷した用紙のサイズを基板よりも小さくすることで従来からあったラミネータを通すと微妙に位置がずれる(ラミネータのローラーに基板が入る時にパターンを印刷した用紙の位置がずれる)という問題も解決しています。
CNCで基板の切出し 位置合せの様子
- 転写結果
上記で位置合せしたものをコピー用紙に挟んでラミネータを3回程通して転写しました。
転写結果が下の写真です(クリックして拡大しないと良く見えないけど)。改善はしていますが相変わらずトナー印刷部分に小さな穴が開く現象(以降、トナーホールと記載)が発生しています。
マジックである程度は修正していますが、パターンが微細なので超極細のマジックがないと完全な修正は困難です(amazonで極細マジックを注文しましたw)
トナーホールはオブラート面の凹凸が原因とも思いましたが前々回の転写シートを使った転写でもトナーホールが発生しているのでページプリンタのトナーの特性が原因かもしれません(2回転写する等の改善策があるかもしれない)。
転写結果(トップ) 転写結果(ボトム)
- エッチング結果
パターンの転写結果に不安があったものの、エッチングしてみた結果が下の写真です。導通確認をしたところ、3ヶ所に断線が発生していました。orz
四隅に若干の銅が残っている部分がありますがこれは転写時にマスキングテープを張った部分なので、エッチング前にアルコールで拭くなどすれば解決できると思います(気を付けないとトナーまで取れちゃいますが・・)。
エッチングまで上手くいったらソルダーレジストやシルクもどき処理までやりたかったのですが、パターン転写にまだ問題があるので検討中です。^^;
エッチング結果(トップ) エッチング結果(ボトム)
★2017/11/12 追記
「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事にオブラート転写方式での両面プリント基板作成手順(ソルダーレジスト処理についても書いています)を簡単にまとめました。
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