超小型Z80マイコン(その14)開発機のケース製作 [Z80]
前回の記事で書いたようにユニバーサル基板を用いてポリウレタン線で手配線した開発用基板が 20MHz で動作しハード弄りは一段落しました。Z80 を使った簡単な実験を行う場合はやはり速い方がいいのでこの開発機を結構使っています。
基板の裏面はカバーで保護していますが、今後も安定した状態で使っていきたいのでケースを作ることにしました。
開発機なのであまり凝らずに下図のような3ピース構成にしてみました。右側面の穴は USB コネクタと TF カード用のものです。
各ピースの間隔を空けると下図のようになります。各パーツは下の方からベースプレート、サイドパーツ、トッププレートと呼ぶことにします。
下図はスケルトン表示になります。ベースプレートとトッププレートはネジでサイドパーツに固定します。
今までとほとんど同じ状態ですがベースプレートに開発基板を取り付けた状態が下の写真です。TF カードは外した状態です。今回ケースを作成する際にTF コネクタを汎用基板に直付けしようと試みたのですが、失敗してコネクタを1個壊してしまったので従来通り市販のコネクタ基板を使うことにしました。
下の写真はサイドパーツを取り付けた後の状態です。汎用基板は四隅がベースプレートとサイドパーツで固定されます。
左下の写真は TF カード基板を取り付けた状態のものでサイドパーツで支えられています。右下はベースプレート面の写真でネジの頭部が出っ張らないように頭部用のホールを設けています。
トッププレートを取り付けた状態が下の写真です。本来であればアクリル板を CNC で加工して透明で文字入りのパネルにしたいのですが手抜きでトッププレートもFDM式の3Dプリンタで出力しました。以前、実験的にSLA式の3Dプリンタでパネル作成したこともありましたが、レジンは強度的にケース等には適さないということが判りました。
しかし、基板に実装した部品が全く見えないのも面白くないので今回使用しているフィラメントである透明の PETG での造形物を透明化する簡単な実験を行いました。
実験は次の二通りでやってみました。両者共に溶剤は手持ちのノルマルプロピルアルコール(NPA)を使い2倍程度に薄めて使いました。
不要になったサイドパーツ部品にコーティングし評価しました。評価方法はペン型テスタのパネルに表示された "Auto" の文字の見え方で効果を判断しました(コーティング物からピンセットを使って約 1cm 離した状態で目視)。一応写真も撮りましたが、写真では目視での感覚をあまり表現できていません。
結果を下表に示します。評価は5段階で数字が大きい程、良い結果ということにしています。
上記表の結果から No5 の手法でトッププレートをコーティングしてみました。片面はベッドに接している平らな面なのでベッドと反対側のみコーティングしました。結果が下の写真です。
評価で用いたサイドパーツと違いトッププレートはメッシュ状に積層されているのでメッシュ状に細かい気泡がありなかなか透明度は上がりませんでしたが、ICチップの位置が見えるようになりました。
「Pic24MC68Kマイコン(その8)ケース作成」の記事の最後の方に書いたように以前、透明の PETG フィラメントで作ったケースにエアブラシで UV カット塗料を塗布したことがあります。同じ材料で比較できていませんが効果は同レベルなのでは無いかと思います。今回の手法はエアブラシで塗料を塗布するよりはお手軽なので今後活用できる場面があるのではないかと思います。
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基板の裏面はカバーで保護していますが、今後も安定した状態で使っていきたいのでケースを作ることにしました。
開発機なのであまり凝らずに下図のような3ピース構成にしてみました。右側面の穴は USB コネクタと TF カード用のものです。
Z80PicCompact開発機のケース設計01(CAD画面) |
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各ピースの間隔を空けると下図のようになります。各パーツは下の方からベースプレート、サイドパーツ、トッププレートと呼ぶことにします。
Z80PicCompact開発機のケース設計02(CAD画面) |
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下図はスケルトン表示になります。ベースプレートとトッププレートはネジでサイドパーツに固定します。
Z80PicCompact開発機のケース設計03(CAD画面) |
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今までとほとんど同じ状態ですがベースプレートに開発基板を取り付けた状態が下の写真です。TF カードは外した状態です。今回ケースを作成する際にTF コネクタを汎用基板に直付けしようと試みたのですが、失敗してコネクタを1個壊してしまったので従来通り市販のコネクタ基板を使うことにしました。
ベースプレートに取付けた開発基板 |
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下の写真はサイドパーツを取り付けた後の状態です。汎用基板は四隅がベースプレートとサイドパーツで固定されます。
サイドパーツを取り付けた開発基板01 | サイドパーツを取り付けた開発基板02 |
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左下の写真は TF カード基板を取り付けた状態のものでサイドパーツで支えられています。右下はベースプレート面の写真でネジの頭部が出っ張らないように頭部用のホールを設けています。
TF カード基板装着後 | ベースプレート面 |
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トッププレートを取り付けた状態が下の写真です。本来であればアクリル板を CNC で加工して透明で文字入りのパネルにしたいのですが手抜きでトッププレートもFDM式の3Dプリンタで出力しました。以前、実験的にSLA式の3Dプリンタでパネル作成したこともありましたが、レジンは強度的にケース等には適さないということが判りました。
トッププレート取付け後 |
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しかし、基板に実装した部品が全く見えないのも面白くないので今回使用しているフィラメントである透明の PETG での造形物を透明化する簡単な実験を行いました。
実験は次の二通りでやってみました。両者共に溶剤は手持ちのノルマルプロピルアルコール(NPA)を使い2倍程度に薄めて使いました。
- 2液式エポキシ接着剤でのコーティング
参考:「これは超便利!何でも強力にコーティングできる激安エポキシクリアの自作実験をご紹介します!」 - 透明のUVレジンでのコーティング
不要になったサイドパーツ部品にコーティングし評価しました。評価方法はペン型テスタのパネルに表示された "Auto" の文字の見え方で効果を判断しました(コーティング物からピンセットを使って約 1cm 離した状態で目視)。一応写真も撮りましたが、写真では目視での感覚をあまり表現できていません。
結果を下表に示します。評価は5段階で数字が大きい程、良い結果ということにしています。
上記表の結果から No5 の手法でトッププレートをコーティングしてみました。片面はベッドに接している平らな面なのでベッドと反対側のみコーティングしました。結果が下の写真です。
トッププレートをコーティング後の状態 |
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評価で用いたサイドパーツと違いトッププレートはメッシュ状に積層されているのでメッシュ状に細かい気泡がありなかなか透明度は上がりませんでしたが、ICチップの位置が見えるようになりました。
「Pic24MC68Kマイコン(その8)ケース作成」の記事の最後の方に書いたように以前、透明の PETG フィラメントで作ったケースにエアブラシで UV カット塗料を塗布したことがあります。同じ材料で比較できていませんが効果は同レベルなのでは無いかと思います。今回の手法はエアブラシで塗料を塗布するよりはお手軽なので今後活用できる場面があるのではないかと思います。
★追記 2023/05/14 {
UV レジンをコーティングしたものはベトツキ感がなかなか取れない(レジンにも依存すると思いますが)という短所があったのでエポキシを使ってリベンジしてみました。
前回からの変更点は
更にエポキシの場合、乾くのが早いし、コーティング面がすぐにサラサラな状態になるというメリットがあります。
尚、筆を駄目にしたくないので割り箸と爪楊枝を使って塗布しています。
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UV レジンをコーティングしたものはベトツキ感がなかなか取れない(レジンにも依存すると思いますが)という短所があったのでエポキシを使ってリベンジしてみました。
前回からの変更点は
- 濃度は高め
上記では2倍(エポキシと溶剤を等分)に希釈していましたが、コーティングで効果を上げるため少し濃いめ(エポキシ:溶剤=3:2程度)にし、塗布回数は1回にしました。
- 積層パターン
外面(一番下面と一番上面)の積層パターンをメッシュから同心円に変更しました。
- コーティング対象面
前回はベッド面はコーティングしていませんでしたが、今回はベッド面も含め両面にコーティングしました。
更にエポキシの場合、乾くのが早いし、コーティング面がすぐにサラサラな状態になるというメリットがあります。
エポキシでのトッププレートコーティング結果 |
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尚、筆を駄目にしたくないので割り箸と爪楊枝を使って塗布しています。
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