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Pic24MC68Kマイコン(その8)ケース作成 [68K]

 前回の記事で MC68000 の DIP64 チップサイズとほぼ同じサイズの基板で CP/M-68K が動作することを書きましたが、今回はケースについて書いてみます。

 プリント基板が小さくまとまったのでケースも小さくしようとするとインサートナットを入れる場所が無くなってしまいました。そこで今回は PETG フィラメントの柔軟かつ積層間の結合強度が高いという特徴を生かしてネジを使わないかみ合わせ方式でのキャップの固定を試みてみました。
 CAD で表示した全体像が下図になります。最初はボディー部前面に「Pic24MC68K」のロゴ入れていましたが、3D プリンタで出力すると文字出力の影響で裏側にも薄い縞模様が現れるのでロゴは削除しました。

Pic24MC68Kケース外観


 今回作成したケースの主要な部分について以下に記載したいと思います。まず、プリント基板のサポート方法についてですがいつものようにケース内部の側面に溝を付けることで実現しています(最近設計した基板には四隅に取付け用の穴を設けていません)。

プリント基板のサポート


 次に冒頭でも書いたネジを使わないキャップの固定についてですが下図のようにキャップの上面の切り口を斜面にして下側はケース内部に設けた溝に嵌るようにしました。下側には取り外し用の溝も付けています。

キャップの固定方法


 リセットスイッチに関しては今回最も悩んだ箇所になりますが試行錯誤の結果、下図のように C リング(上側の板状の部分)に似たような方式にしてみました。
プリント基板をケースに入れる前にスイッチポールを入れて、プリント基板が入った後に C リングもどきで固定します。
 Cリングもどきの左の側面はケースの内面に合わせて斜面になっていて取付後の回転防止になっています。

リセットスイッチ部


 それでは3Dプリンタで出力した実際のケースを確認していきます。LED 用の窓を省略するために PETG の透明なフィラメントで造形し、透明度を上げるために GSIクレオス Mr.スーパークリアー UVカット 光沢 スプレー を塗布しました。

 下の写真が USB コネクタ部です。ピッタリですね^^

USBコネクタ部


 下の写真がケース内にプリント基板を入れた状態のものです。写真では判り辛いですが、基板設計CADから引き継いだ3Dデータを使って設計しているので当然ですがピッタリのサイズです( 0.2mm 程度のマージンを入れて設計しています)

ケース内のプリント基板


 下の写真がリセットスイッチ部をズームしたものでケースの外側から押すとカチッと音がして反応し、なかなかいい感じです。

リセットスイッチ部


 下の写真はキャップ部分をアップしたものです。写真からは見えにくいですが SDカード用のスリットも大きさ及び位置が共にピッタシです^^

キャップ部分


 問題のキャップのかみ合わせ部分が下の写真になります。ネジも無く一体化していて分離できる部品であることすら判らないくらいです。

キャップのはめ込み状態


 下の写真がトップ面です。UV カットを塗布していますが、薄っすらと MC68K のチップが見える程度の透明度です(SLA方式の3Dプリンタで出力すればもっと透明になりますが、強度が弱くてケースには使いにくい)。

Pic24MC68K ケース(トップ面)


 ボトム面が下の写真です。造形時に発生した糸引きの後が見えますが見た目は写真程は目立ちません。

Pic24MC68K ケース(ボトム面)


 最後に CP/M-68K が動作中の写真です。バスリクエストにより緑の LED が点灯しています。

Pic24MC68K 動作中の状態



★追記 2022/02/02
 リセットスイッチ部分で悩んだと書きましたが、没になった案の一例として楔型結合タイプのものの写真を追記します。
 機能的には問題無かったのですが、組立と分解時の作業が大変なので採用しませんでした。細かな部品ですが 0.4mm のノズルでも結構出力できるものですね。

リセットボタン部の未採用案の例



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