CNCルータでの両面基板制作(その2) Via処理と基板制作 [CNC]
「CNCルータでの両面基板制作」の記事で書いたようにCNCルータでの SSOPパッケージを実装した両面プリント基板作成が可能であることが見えてきたのでCNCルーターでの両面プリント基板作成の一連の作業を行ってみました。
まず、Via の処理についてですが、「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事の最後にViaの処理について 0.30mm のドリル穴に 0.20mm の銅線を通して行う方法を書きました。
しかしこの方法は銅線を手で押さえながら半田付けする必要があり、ヒートガンでまとめて半田付けするのは困難です。また、0.20mmの銅線を扱うため微細な作業が必要になります。
円錐形の銅線があればドリル穴に押し込んで基板からはみ出した分をカットするようなこともできそうですがこのような都合のいい銅線はありません・・・
いろいろ検討した結果、次のような手法で Via 処理を行いました。
「曲げ固定Via処理法」と命名します。
このような Via 処理であれば手配線と比べても作業が効率的です。
因みICソケット部はスルホール処理は行わず、部品の足からの配線は全てボトム面で行うようにしています。
★2017/11/05 追記 {
スルホール処理を行っていなかったため、top面とbottom面のグランドのベタパターンが接続されていなかったのでコネクタ部分のグランドピンでtop面も半田付けすることで表裏のグランドパターンを接続しました。
「OnebitLoaderでPIC16F88書き込み時のエラー対処」の記事を参照してください。
}
それでは基板作成作業について順を追って記載します。
以上が今回行ったCNCルーターでの両面基板作成および部品実装作業の概要です。
部品実装では SSOPパッケージの半田付けが大変でした。クリーム半田塗布用のステンシルを作らなかったので、まずクリーム半田をピン毎に塗布することが困難・・
結局 SSOP のピン部分に多めにクリーム半田を塗り、3ヶ所ブリッジが発生しました。^^;
普段は全く使わないのですが、今回は半田吸い取り線を使い、何とかブリッジを対処しました。
プリント基板はできても部品実装で課題があります・・・
★2017/11/05 追記
今回作成したパターンではSSOPの直下にViaがあったため、Via処理で基板面から出っ張る部分があり、SSOPパッケージの半田付けの難易度が高くなってしまいました。
SSOPの下にはViaを作成しないようにすればSSOPパッケージの半田付けは楽になります。
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まず、Via の処理についてですが、「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事の最後にViaの処理について 0.30mm のドリル穴に 0.20mm の銅線を通して行う方法を書きました。
しかしこの方法は銅線を手で押さえながら半田付けする必要があり、ヒートガンでまとめて半田付けするのは困難です。また、0.20mmの銅線を扱うため微細な作業が必要になります。
円錐形の銅線があればドリル穴に押し込んで基板からはみ出した分をカットするようなこともできそうですがこのような都合のいい銅線はありません・・・
いろいろ検討した結果、次のような手法で Via 処理を行いました。
「曲げ固定Via処理法」と命名します。
- ドリル穴と線材
Via部分には直径 0.40mm の穴を開け、0.30mmの太さのスズメッキ線を使用する。Viaホールと線材が太くなったので作業し易くなるし、スズメッキ線は銅線より硬いので後述の固定力も強い。
- スズメッキ線の挿入
Via ホールにスズメッキ線を通してスズメッキ線の先端を下の左側の図のように曲げる。
- スズメッキ線の固定
スズメッキ線を少しづつ引っ張って曲げた部分がViaホールの中央に来るようする。この状態ではスズメッキ線は基板に固定され、ある程度の力で引っ張っても押しても動かない状態になる。
見づらいですが下の右側の写真が固定されたスズメッキ線の写真です。
- スズメッキ線の切断
スズメッキ線を適当な長さ(プリント基板の表面より 0.5mm 程度出るくらい)で切断する。先端側も同様に切断する、これでスズメッキ線がプリント基板の表面及び裏面から0.5mm程度出た状態で固定される。
慣れてくると曲げる位置を調整することで先端の切断はしなくても 0.5mm くらい出た状態にできるようになる。
- 半田付け
クリーム半田を付けてヒートガンで加熱することでまとめて半田付けができる。
Viaホール部分の断面図 | 固定状態のスズメッキ線 |
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このような Via 処理であれば手配線と比べても作業が効率的です。
因みICソケット部はスルホール処理は行わず、部品の足からの配線は全てボトム面で行うようにしています。
★2017/11/05 追記 {
スルホール処理を行っていなかったため、top面とbottom面のグランドのベタパターンが接続されていなかったのでコネクタ部分のグランドピンでtop面も半田付けすることで表裏のグランドパターンを接続しました。
「OnebitLoaderでPIC16F88書き込み時のエラー対処」の記事を参照してください。
}
それでは基板作成作業について順を追って記載します。
- CNCルータでボトム面のパターン切削と位置合せ用の穴開け
CNCルーターでボトム面のパターンを切削します。
切削後に位置合せ用の穴を開けます。FlatCAMは両面プリント基板作成用の機能として位置合せ用の穴情報を生成することができますが、今回は基板固定用の四隅の穴を位置合せ用に使いました(そのために穴の位置は基板の中心線に対して線対称の位置に配置する必要がありますが、位置合せ専用の穴が不要になるので作業が効率化できます。
この穴は直径1.5mmで基板の下の捨て板に3.5mmの深さまであけました。また基板を裏返す場合などの位置合せ時は直径1.4mmのドリルの歯のない方を捨て板の穴に刺して行いました。
位置合せ用の適当な太さで短い金属棒があればいいのですが・・(最初は爪楊枝を加工して作ろうかとも思いましたがちょっと太すぎる)
下の写真では穴の位置が少しずれていますが切削後にCNCの原点をずらしてしまったためです ^^;;;
マイクロスコープでずれ分を測定し、原点を補正したのでトップ面とボトム面のずれはわずかなはずです。
下の写真では基板が切出された状態ですが、この時点では基板切り出しはまだ行いません。
ボトム面の切削と穴あけ
- トップ面の切削と基板切り出し
プリント基板を裏返してトップ目のパターンを切削します。
プリントパターンを切削後、基板の切出しを行います。
トップ面の切削
- ソルダーレジスト処理
「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事に書いた方法でソルダーレジスト処理を行います。
位置合せのホール以外のホールを開けていないのは穴が開いているとソルダーレジストが穴に入り込んでしまう為です。
トップ面の右下でソルダーレジストが剥がれていますがソルダーレジストを部分的に塗布することで修正することが可能ですが時間節約のためそのままにしています・・
ソルダーレジスト(トップ面) ソルダーレジスト(ボトム面)
- Via及び部品取り付け用の穴開け
再度CNCに基板を取り付け(当然、位置合せ用穴を使って位置合せもする)、Via と部品取り付け用の穴を開けます。
Viaは前述のように 0.40mm、部品用の穴は 0.60mm にしています。
- 部品取り付け
上記の曲げ固定Via処理法でVia処理後、部品を取り付けます。
部品取り付け後(トップ面) 部品取り付け後(ボトム面)
以上が今回行ったCNCルーターでの両面基板作成および部品実装作業の概要です。
部品実装では SSOPパッケージの半田付けが大変でした。クリーム半田塗布用のステンシルを作らなかったので、まずクリーム半田をピン毎に塗布することが困難・・
結局 SSOP のピン部分に多めにクリーム半田を塗り、3ヶ所ブリッジが発生しました。^^;
普段は全く使わないのですが、今回は半田吸い取り線を使い、何とかブリッジを対処しました。
プリント基板はできても部品実装で課題があります・・・
★2017/11/05 追記
今回作成したパターンではSSOPの直下にViaがあったため、Via処理で基板面から出っ張る部分があり、SSOPパッケージの半田付けの難易度が高くなってしまいました。
SSOPの下にはViaを作成しないようにすればSSOPパッケージの半田付けは楽になります。
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通りすがりです。
プリント基板用CNCで、SSOPパターンやQFP64~(0.5mmピッチ)パターンは、オリジナルマインド社の機械は加工出来ますが半田は一段と難しくなります。
なので、SSOP(0.65mm)以下のはんだ付けは、苦労しています。
でももっと読まして貰って、簡単に出来る作業法を探していきたいと思います。
by pc_net_sp (2019-03-11 01:55)
はじめまして・・コメントありがとうございます。
中華系基板製造業者の価格破壊によりPCB自作のモチベーションが下がり気味ですが自作した場合、製造委託とは違った充実感がありますよね^^
オリジナルマインドさんのCIP100は憧れていましたが高くて手が出せませんでした・・
PCB製造の価格低下でオリジナルマインドさんも大変でしょうねぇ~
by skyriver (2019-03-11 21:24)