両面プリント基板の制作実験(その2) [PIC]
プリント基板作成のその後の状況を書いておきます。
2層基板を手作業で作成する場合の問題の一つにスルホール(Via)処理があります。
単純に部品面と裏面のパターンを導通させるために Via のところに小さな穴を開けて鈴メッキ線を通して両面を半田付けしようと考えています。
また、抵抗等の部分は抵抗のリード線を部品面と裏面で半田付けすればいいのですが、ICソケット等は部品面の半田付けは困難です。
以前、購入しておいた銅パイプ(外径:1mm、内径:0.6mm)を使おうかとも思いましたが作業が大変そうなのでICソケット部分等は裏面だけに接続パターンが来るようにパターンを変更していました。
このためさらにViaの数が増えてきたため、Via 2個分とジャンパー1個の処理作業が同程度であるならば、片面基板でジャンパーを心置きなく使った方が作業的には楽なのではないかとの考えが沸き、試しに片面でのパターン設計をしてみました。
パターン設計に時間がかかりますが、片面でも両面の1~2割増し程度の面積でパターンができました。
パターン設計のポイントとしては
出来上がったパターンは次のようになりました。結局ジャンパーは7本で想定していたより少なくて済みました。DIPのMCUであれば片面でも結構いけそうです(本記事の題名には反するけどねw)。
また、DesignSpark PCB でルールチェックを行うとでベタパターンで孤立した部分(下の図の緑の部分)に対してNC(Gap in Net)のエラーがでますが無視します(孤立パターのギャップ幅は個別の設定になっていてその条件に合っていないものと思います)。
また、ベタパターン作成時の他のパターンとのGAP幅の設定箇所が今のところ不明・・・
★2017/10/08 追記
DesignSparkPCBでベタパターン作成時のスペース幅の設定はメニューで
Settings -> Design Technology -> Spacings(tab)
で表示されるスペーシング表で「Shapes」がベタパターンに該当していて種別ごとにベタパターンとのスペース幅を設定できることが判りました。
※最新版のパターン。以降の写真は旧バージョンのパターンです。
転写に使用するシートとしては、専用シート(ブルーのシート)は高価なので、OHPシートに洗濯糊を塗ったお手製熱転写シートも試してみましたが、私のレーザープリンタでは洗濯糊の上への印刷はベタ部分でもトナーが薄くなり、転写自体はそれなりにできましたがトナーが薄くて駄目でした(改善する方法があるかもしれませんが・・)
なので前回と同様の転写用紙を使っています。
ここまで来たら次の工程は熱転写です。ネットで調べるとやはりラミネータを使った方が転写が圧倒的に安定するようです。
Amazon で注文したラミネータが今日、届きました。(^^)/
4千円以下で複数の温度設定があり、150μフィルム対応という条件で探した結果、「OHM A4 パーソナルラミネーター LAM-438」にしました。
生基板を入れるので排出部等を削る覚悟をしていましたが、届いたラミネータを分解して内部構造を確認したところ、特に改造なしで使えそうだったのでそのままで使っています。
下の写真はラミネータを加工する前にせっかくなので普通の使い方でも利用しておこうと思い写真をコピー用紙に印刷したものをラミネートっているところですw
百均のラミネートフィルム(A4 11枚入)でも問題なくラミネート出来ました。
まずは温度設定を最強にして、連続して3回ラミネータに通してみました。
結果次の写真のような転写状態でした。ベタ塗の部分がまだらになっているのが非常に気になります。レーザープリンタはNEC製MultiWriter5600Cを使っていますが、プリンタの設定の明度等を変更しても印刷が濃くなるような効果はありませんでした(明度設定はグレースケール部分に影響がでるが黒ベタ部分は影響されないようです)
エッチング後の基板の状態が次の写真です。下の写真では判り辛いですがやはりベタパターン部分には小さな穴があちこちに空いている状態で、パターンも2か所で断線していました ^^;
今後、改善検討を継続予定です。
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2層基板を手作業で作成する場合の問題の一つにスルホール(Via)処理があります。
単純に部品面と裏面のパターンを導通させるために Via のところに小さな穴を開けて鈴メッキ線を通して両面を半田付けしようと考えています。
また、抵抗等の部分は抵抗のリード線を部品面と裏面で半田付けすればいいのですが、ICソケット等は部品面の半田付けは困難です。
以前、購入しておいた銅パイプ(外径:1mm、内径:0.6mm)を使おうかとも思いましたが作業が大変そうなのでICソケット部分等は裏面だけに接続パターンが来るようにパターンを変更していました。
このためさらにViaの数が増えてきたため、Via 2個分とジャンパー1個の処理作業が同程度であるならば、片面基板でジャンパーを心置きなく使った方が作業的には楽なのではないかとの考えが沸き、試しに片面でのパターン設計をしてみました。
パターン設計に時間がかかりますが、片面でも両面の1~2割増し程度の面積でパターンができました。
パターン設計のポイントとしては
- グランドはベタパターンにするのでグランドのトラック(接続パターン)はグランドベタパターン化してから孤立したグランドを確認し、グランド接続の部品があり、孤立している場合は接続するためのパターンを追加する。
- パターン接続、引き回し、部品位置の微調整を何度か繰り返し最適化する。
出来上がったパターンは次のようになりました。結局ジャンパーは7本で想定していたより少なくて済みました。DIPのMCUであれば片面でも結構いけそうです(本記事の題名には反するけどねw)。
また、DesignSpark PCB でルールチェックを行うとでベタパターンで孤立した部分(下の図の緑の部分)に対してNC(Gap in Net)のエラーがでますが無視します(孤立パターのギャップ幅は個別の設定になっていてその条件に合っていないものと思います)。
また、ベタパターン作成時の他のパターンとのGAP幅の設定箇所が今のところ不明・・・
★2017/10/08 追記
DesignSparkPCBでベタパターン作成時のスペース幅の設定はメニューで
Settings -> Design Technology -> Spacings(tab)
で表示されるスペーシング表で「Shapes」がベタパターンに該当していて種別ごとにベタパターンとのスペース幅を設定できることが判りました。
片面基板の設計パターン |
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転写に使用するシートとしては、専用シート(ブルーのシート)は高価なので、OHPシートに洗濯糊を塗ったお手製熱転写シートも試してみましたが、私のレーザープリンタでは洗濯糊の上への印刷はベタ部分でもトナーが薄くなり、転写自体はそれなりにできましたがトナーが薄くて駄目でした(改善する方法があるかもしれませんが・・)
なので前回と同様の転写用紙を使っています。
転写用紙の印刷状態 |
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ここまで来たら次の工程は熱転写です。ネットで調べるとやはりラミネータを使った方が転写が圧倒的に安定するようです。
Amazon で注文したラミネータが今日、届きました。(^^)/
4千円以下で複数の温度設定があり、150μフィルム対応という条件で探した結果、「OHM A4 パーソナルラミネーター LAM-438」にしました。
生基板を入れるので排出部等を削る覚悟をしていましたが、届いたラミネータを分解して内部構造を確認したところ、特に改造なしで使えそうだったのでそのままで使っています。
下の写真はラミネータを加工する前にせっかくなので普通の使い方でも利用しておこうと思い写真をコピー用紙に印刷したものをラミネートっているところですw
百均のラミネートフィルム(A4 11枚入)でも問題なくラミネート出来ました。
ラミネータ(LAM-438) |
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まずは温度設定を最強にして、連続して3回ラミネータに通してみました。
結果次の写真のような転写状態でした。ベタ塗の部分がまだらになっているのが非常に気になります。レーザープリンタはNEC製MultiWriter5600Cを使っていますが、プリンタの設定の明度等を変更しても印刷が濃くなるような効果はありませんでした(明度設定はグレースケール部分に影響がでるが黒ベタ部分は影響されないようです)
熱転写状態 |
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エッチング後の基板の状態が次の写真です。下の写真では判り辛いですがやはりベタパターン部分には小さな穴があちこちに空いている状態で、パターンも2か所で断線していました ^^;
今後、改善検討を継続予定です。
エッチング後の状態 |
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