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リード部品の整形治具 [3D_printer]

 高機能なロムライタである TL866II Plus で旧式の UVEPROM の書込みを可能にするために作ったものが、我ながら便利だったので BOOTH で試験的に VppConverter としてを販売してみました。
 今までは自分用の基板の製作だったので外観にはそれ程拘っていませんでしたが、他の人に提供する物を作るとなるとピンヘッダの切り口等も気になってきます(今回はヤスリ掛けしました)。表面実装部品やリード部品が混在している構成であり部品数もそれなりに多いので同じものを何個も半田付けする作業は結構大変でした。
 抵抗等のリード部品はラジオペンチで整形していましたが、専用の治具があった方が作業効率が良いと感じました。サンハヤト製のリードベンダーを使用している人も多いのではないでしょうか?

 3Dプリンタを使ってリードを整形する治具( Lead Adjuster と命名) を作ってみました。下図が今回設計した治具の CAD 画面をキャプチャしたものです。

CAD での LeadAdjuster 設計


 設計は1個ですが、同じパーツを2個組み合わせて一つの治具になるようにしました。柄の部分の三角形の山と谷は横ずれ防止のためのものです。14 の数字の部分がリード幅が 14 mm で 0.5 mm 間隔でリード受け用のくぼみを付けました。 14 の数字の上の溝は幅が 1 mm 毎に少なくなっているリード受けに付けたマークです。

 下の写真は3Dプリンタで出力した部品です。リード受けの部分は径が小さいので積層ピッチは 0.2 mm を推奨します。「ガスカートリッジ(OD缶)用スタビライザーの製作」の記事の後半で記載した手法を採用して回転部分の軸はフィラメントをそのまま使用するようにしました。

回転部へのフィラメント取付状況


 フィラメントの出っ張った部分はニッパーで切断し、使用しているうちに外れてくるようであれば片側を瞬間接着剤で固定します。

完成した LeadAdjuster (内側)


 同じような写真に見えますが下の写真は外側の様子です。

完成した LeadAdjuster (外側)


 この治具は片方だけ使用してもリードを整形できますが、より直角に整形するためにリードを上下から挟んで整形することもできるようにしてみました。


完成した LeadAdjuster (曲げた状態)


 必要とする人はあまり居ないとは思いますが、下記のリンクから STL ファイルをダウンロードできます。商用利用以外であれば自由に使用可能とします。


 Twitter に投稿した動画付きメッセージを貼っておきます。文章で説明するよりも動画の方が一目瞭然ですね。



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フィラメント用ファンフードの製作 [3D_printer]

 ずっと愛用していた3Dプリンタの調子が悪くなり、今回は思いの外復旧に手こずりました。
 症状としては造形中にフィラメントが詰り、エクストルーダーのステッパーがカチカチと脱調する状態です。
 今までも同様なトラブルは何度も発生していてノズルの清掃や交換で治っていました。ヒーター等が固着して取れない場合等、最悪の場合でもホットエンド以降を丸ごと交換で復旧していました。

 今回は複合した原因で発生していた模様でノズルやスロート等を交換しても復旧しませんorz
 スロートは交換用部品が 1 個しかなかった(今まで実績のないスロートにPTFEチューブが通るタイプのもの)に交換しても完全には修復せず、ヘッド関連の部品やセット物を何個か注文し、到着待ちの状態でした。円安の関係で海外通販はどんどん値上がりしていて更には V5 等の古いタイプの部品は品薄でもあり V6 や Volcano の部品に乗り換えられるように色々部品を調達しました。

 試しにフィラメントが詰まった状態でフィラメントを抜き、 TPFE チューブを確認しても樹脂が付着していたりはしていません。TPFE チューブも抜き、スロート部分を確認するとノズルのネジ側が綺麗に見えるので特に問題は無さそうです。
 下の写真はスロートを覗き込んだもので肉眼では見えないのでマニュアル操作で感でピント合わせして撮影したものです(何度もやり直して漸く撮れた)

スロートの奥の状態


 しかしながら、エクストルーダーのバネを弱い方向に調整したらフィラメント送り用ステッパーが脱調する症状は解消しました。押し付け力が強すぎて回転に対する抵抗が大きくなっていたようです(フィラメントの送り抵抗に関してはエクストルーダーのフリーレバーを押した状態で確認していたのでなかなか気づけませんでした)。

 原因調査の作業中にフィラメント用ファンフードの部品の一部を溶かしてしまいましたorz
 3Dプリンタが復旧したので早々にファンフードをCADで設計してみました。

フィラメントファンフードの設計


 局面部分が多いので設計は面倒かと思っていましたが、DesignSpark Mechanicalブレンド機能を使用することで簡単に作成できました。

 透明の PETG で出力したものが下の写真の奥側になります。手前にあるのは作業中に溶かした部品です。

フィラメントファンフード(従来部品と新部品)


 今回は3Dプリンタが使えなくなった時間が長く、不便な状態が続きました。
 ん~、何時でも好きなものを3Dプリンタで出力できる環境があるということはすばらしぃ・・と改めて実感しました。


★追記 2022/09/17
 空気抵抗が大きそうだったので空気の出口を円に近い形状に変更しました。

フィラメントファンフードの設計(変更)


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ヒートシンク用冷却ファンのガード部品の製作 [3D_printer]

 円安が進み、遂に 140.56 円になってしまいました(2022/09/05 22:00 現在)。従来は格安だった中華製品も軒並み値上がりしています。
 以前は 500 円を切る値段で 4 個購入できた 40 mm サイズのファンが今では 1 個で 250 円程になっていますorz

 ヒートシンク用に使っているこのファンは回転する羽が剥き出しの状態なので造形開始直前にピンセットでノズルのお漏らしを取り除く際に羽を破損してしまうことが稀にあります。

ヒートシンク用冷却ファン


 初めて羽を破損した際に「今後十分気を付けよう」と思ったのですが再度破損してしまったという経緯があります。
 注意力が散漫になっていることを検出できて他の大きな破損を未然に防げる・・というような前向きな考えも可能ですが前述のように部品代が値上がりしているのでファンをガードする部品を3Dプリンタで作ることにしました。

 最初に考えた案は下図のようにファンを覆うような構造のものです。

ヒートシンク用ファンガードの最初の案(CAD画面)


 ファンに取付けた状態が下の写真になります。

ヒートシンク用ファンガードの最初の案


 実際に3Dプリンタに取付けてみるとファンのすぐ上にあるロッドジョイントに干渉すること、及びファンの取付ネジ用の穴に入れる十字の切れ込みを入れた部分が細か過ぎてうまく出力できなかったので下図のように改善してみました。

ヒートシンク用ファンガードの改善案(CAD画面)

★変更 2022/09/06 デザインを若干更新しました(下の写真も更新)


 3Dプリンタで出力し、ファンに取付けた状態が下の写真になります。ネジ穴に入る部分を少し太くしたので十分サポートされています。

ヒートシンク用ファンガードの改善案


 空気が取り入れ口が2~3割塞がれてしまうこと、及びピンセットの先がまだ入れられる状態であることが気になりますが、暫くこれで運用してみたいと思います。


★追記 2022/09/10
 下記の理由で上記のファンガードは取り外しました。
  • ファンガードを付けるとファンの音が結構大きくなった
  • ファン 4 個を 5 百円未満で購入できるところがあったので注文した

★追記 2022/09/07
 遂に144円台に突入している・・ (下図は Google Finance より)

ドル価格の推移


★追記 2022/09/07 23:08
 止まらない・・・

ドル価格の推移2



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ガスカートリッジ(OD缶)用スタビライザーの製作 [3D_printer]

 Aliexpress で商品を閲覧していたらガスカートリッジのスタビライザー(スタンド)があったので習作の意味も込めて 3D プリンタで作ってみることにしました。

ガスカートリッジのスタビライザー(製品例)


 以前、下図のような CB 缶用の回転防止サポーターを作成したことがありますが今回は OD 缶用スタビライザーの作成です。

CB 缶のサポーター


 上記の製品例では正三角形の辺に添って脚が折り畳まれるうな構造ですが、折り畳んだ時にコンパクトになるように三脚式にしてみました。また、上記の製品例と違い、回転軸が水平方向なので強度的にも有利になるのではないかと思います。

OD 缶用スタビライザー(CAD画面1)


 脚の接続はネジ式にするか迷いましたが、ネジ式では強度が落ちそうだったのでピン固定式にしました(一度組み立てたら取り外すこともないですしね)
 脚を開くと下図のようになります。3DCAD なら脚を開いた状態での OD 缶の淵のサポート部の位置を画面上で確認できるので便利ですね。

OD 缶用スタビライザー(CAD画面2)


 今回は可動部があったこともあり思いの外、試作回数が多くなりました^^;(特にピン留め部分)
 3D プリンタで出力した部品が下図になります。フィラメントは 透明の PETG を使っています。ガスカートリッジの底面部分はあまり熱くならないと思うので PETG でも問題無いと思いますがまだ実際に使用したことはありません。

3D プリンタで出力したスタビライザーの部品


 本体に脚を取り付けて折り畳んだ状態が下図になります。

折り畳んだ状態のスタビライザー


 ガスカートリッジの底に取付けた状態が下図です。結構きつくてパチッと嵌ります。

ガスカートリッジの底に取付けた状態


 ガスカートリッジにバーナーも取り付けた状態での全体像が下図になります。多摩川を散歩する際にでも使ってみたいと思います。

スタビライザー取付後の全体像


 学生の頃はサイクリングをしていたこともありアルコール式のバーナーを自作しました。カレー粉の缶と昆布茶の缶を使った二重構造でアルコールの蒸気を銅管で導いてアルコールの入った内部缶の底を熱するターボ方式(この部分で火力調整も可能)のもので、最大パワーにすると怖いくらいの火力でしたw


★追記 2022/05/30
 脚が水平面で回転して開く方式の方が小型にできるのではないかと思い立ち試作してみました。下図のように同じ形状の 3 個のパーツで構成されます。

回転式スタビライザー(CAD画面1)


 回転部の固定用ピンは3Dプリンタで作成せずにフィラメントをそのまま使用することにしました。広げた状態が下図になります。

回転式スタビライザー(CAD画面2)


 3Dプリンタで出力した部品が下の写真です。透明の PETG フィラメントで出力しました。斜めの角度が小さいのでサポート付で出力しましたがサポート面(写真右端の下半分)は若干荒れていますね。

3Dプリンタで主力した部品


 ピンを入れるホールは直径 2mm で設計していますが造形すると穴が小さくなるので 2mm のドリルで穴を広げました。

ドリルで穴径調整


 組立作業として下図のように回転部のホールにフィラメントを通します。

回転部固定用にフィラメント装着


 はみ出したフィラメントはニッパーで切って面合せをして両端を瞬間接着剤で固定しました。組立後の開いた状態が下図になります。

開いた状態


 ガスカートリッジに取付けた状態が下の写真です。

スタビライザー取付後のガスカートリッジ


 実は上の写真では脚を開いた状態で空きになっているホールにフィラメントを挿して仮止めした状態にしています。そうしないと脚が引っ張られて少し伸びるのでガスカートリッジから外れ易い状態でした(仮止め状態ではパチッと嵌っています)

 今回の試作を通して下記のことが判りました。
  • 仮止めした部分はフック等で嵌るような仕掛けが必要。強度的にも強化が必要。
  • 直径 2mm の穴開けと瞬間接着剤での固定で簡単にフィラメント自体を回転部の固定用ピンにできることが判ったので今後も応用が出来そう。



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TL866II用防塵キャップ [3D_printer]

 低価格で多機能なROM WriterであるTL886II Plusを久々に使ったところ、下図のようなエラーが発生してしまいました。
 ROMのピンとゼロプレッシャー(ZIF)ソケット間の接触不良のようでROMを何回か入れ直したらエラーが出なくなりました。

TL866IIで発生したエラー



 このROM Writerはページプリンタの上にずっと置いていたので上面に薄っすらと綿ゴミが積もったことが接触不良の一因かもしれません。

 そこでZIFソケットにゴミが積もらないようにカバーを作ってみました。

TL866IIのZIFソケット用カバー



 透明のPETGで出力し、実機に装着した様子が下の写真になります(色付きのフィラメントの方が良かったかも・・でも交換がめんどいw)

ZIFソケット用カバー装着状況



★追記 2021/08/19 {
 コネクタ部分のキャップも作ってみました。取り外し用の切り欠き(下図の下部)を下側にして装着します(逆でも問題ありませんが外観的に切り欠きが目立たない方がいい)。
 出力する際のフィラメントは柔軟性があり積層間の強度が高いPETGを推奨します。

TL866用コネクタキャップ(CAD)



 実機に装着した状態が下の写真です。
 コネクタの部分を塞ぐと放熱効果が低下しそうですが元々発熱が少ないので問題ないと思います(使用する場合は自己責任でお願いします)。

TL866用コネクタキャップ

}

 必要とする人はほとんどいないと思いますが、stlファイルを下記のリンクからダウンロードできます。商用利用以外であれば自由に使用可能です。
★Ver0.03 2021/08/19 コネクタ部のキャップを追加
★Ver0.02 2021/08/14 文字パターンを「TL886」から「TL866」に修正

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