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光造形式3Dプリンタの購入(その2)インフィル方法 [LCD3D_Printer]

 前回の「光造形式3Dプリンタの購入」の記事に追記したようにICピンのフォーミングツール出力の際、インフィル構造で設定(構造物の中を中空にし内部に補強パターンを生成することでレジンの使用量を少なくする機能)していますがレジンの抜け道が無いため、実際の出力物は内部の空洞部分にレジンが詰まった状態になっていました(しかも1mm弱の泡が混入している)
 そもそもこの厚みだと、下端(ビルドプレートと逆側)の壁を硬化する時でも出力物全体がレジンの中なのでレジンが詰まってしまいます。
 スライサー(ChiTuBox v1.6.3)でのインフィル設定は下図のとおり(ディフォルト値)です。

インフィルの設定値


 インフィル機能で開けた空洞の中のレジンの抜け穴を造形対象のSTLを作成する段階で開けて実験してみました。
 直径と高さがともに20mmの円柱に直径4mmの深さ10mmの穴を開けました。

レジン抜け穴生成実験


 スライス結果は下図のとおりで穴自体は外側なので穴と内部の空洞との間には壁が残ってしまいます。

空洞レジンの抜け道を前もって作った場合


 無垢の円柱(中心に穴を掘っていない円柱)にスライサーのDig Hole機能で同じような穴を開けた場合も同様の結果でした。

 スライサーには内部を空洞にするHollow機能があります。
 下記のように設定して内部を空洞化しでからDig Hole機能で上面の壁に穴を開け、スライスしてみました。

Hollow機能の設定


 スライス結果は望み通り、内部の空洞のレジンの抜け穴が塞がることなく、外界まで繋がりました。(判り易いように大きめの穴を開けています)

Infillでのレジン抜き穴生成例


 しかし、これでは穴の直下のグリッド構造が意味のないものになってしまいます。
 対処としては一旦スライス後、backボタンで編集画面に戻り、グリッド位置を確認しながらDig Hole機能で穴を開けるしかないようです(グリッドの構造は穴の有無で変化しませんでした)
 穴はビルドプレート側(もしくは側面)にも開けておいた方が空洞内のレジンを抜き易いと思います。

 また、Hollow機能の設定で壁厚1.5mm(Infillの壁厚設定は1.2mm)で上の壁に穴を開けてスライスするとGRIDは生成されませんでした(穴を開けなければ生成される)
 更にHollow機能の設定で壁厚3.0mmにすると生成されるGRIDパターンが滅茶苦茶になりましたw(こういう使い方をする人はいないと思いますが)

GRIDパターンがおかしくなっているケース


 MARS関連情報として「ELEGOO MARSの出力精度の改善」のブログを見つけました。
 ボトムレイヤーが他のレイヤーより短くなる問題があるようです。

 原因の一つにZ-axis backlash problemがあるとのことで他のLCD-SLA方式のプリンタでも発生する可能性があるようです。

 Z軸駆動のステッパーを固定しているサイレントブロックを伸縮しないスペーサーに変えると改善されるとのことなのですが結構手間がかかります^^;

 サイレントブロックは以前ebayで見つけ、静音化のためにFDM式の3Dプリンタ用として1年以上前に購入済みでそのうち取付けようと思っていたのですが、精度が落ちる可能性があるようなので取付作業は中止することにしました。


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