デルタ式3Dプリンタ(Kossel Reprap)のフィラメント詰まり対処 [3D_printer]
「デルタ式3Dプリンタ(Kossel Reprap)の購入」の記事で書いたデルタ式3Dプリンタのキットはずっと調子が良く安定していました。 しかし、昨年大晦日に錆防止の意味も込めて、久々に動かした時に、フィラメントリールがフォルダ(これもずっと調子のよかった)から外れていたことに気が付かずプリントしたため、途中でフィラメントが送れずに失敗していました。orz
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その後、フィラメントの出が悪くなり、フィラメント送出量が多い時に、フィラメント送りのステッピングモーターが頻繁に脱調(負荷が大きいため回転できない状態、カチッと音がする)するようになり、脱調音がした部分はシロアリが食べたようにスカスカになる症状が出るようになってしまいました orz
最初に購入した3Dプリンタ(初代のダヴィンチ)は「3Dプリンタ ダヴィンチ特有のフィラメント詰まりの原因と対策」の記事に書いたように固有の部品かつホットエンドは一体型だったため、対処が大変でした。
その点、今回の3Dプリンタはかなりの量の販売実績があると思われるキットであり、使用部品の入手も容易です。更にキットなので自分で組み立てたことから構造が判っているので扱い易くていいですね。
それでは今回実施した対処の概要を以下に記録しておきます。対処後に試験的に印刷してみましたが問題無い状態に戻りました(^^)/
この状態が長く続けばいいなぁ~
Amazonでは光造形式の3Dプリンタも既に3万ちょっとで購入できるようでそろそろ買ってみようかとも思っていましたがFDM式の方も調子が良くなったのでどうしようかなぁ~と悩み中です^^
- ノズルの簡易クリーニング
ダヴィンチに添付されていたノズル用のクリーニングワイヤー(多分0.3mmのピアノ線)でノズルをクリーニングしましたが、症状は改善せず。
- ノズルの取り外し
冒頭で書いたようにホットエンドが熱い状態でフィラメントを送れない状況が長く続いたことが原因と推測されるので、今回のフィラメント詰まりはノズルの0.4mmの内径付近に硬化したフィラメントがこびり付いているものと推測されます。
ノズルを取り外し、フィラメント導入穴を1.5mmのドリルを使って詰まっている樹脂を取り除きました。
この際にノズル自体を削らないように注意しながら作業を行いました。
事前処理
- アセトンでのクリーニング
上の作業で大まかにABS樹脂を取り除いた後にアセトンに約6時間(6時間が妥当か否かは未検証)漬けた後にクリーニングしました。
フィラメントが入ってくる部分には結構ABS樹脂が残っていました。
対処前(ノズル面) 対処前(裏面)
アセトン漬けにするためには小型のガラス容器が必要ですが、見まわしたところ、目に入った唐辛子の瓶を使いましたw
蓋の部分がアセトンで溶けるのでは?と心配でしたが問題ありませんでした。
アセトン漬けにした直後はABS樹脂の粉が漂っていましたが、6時間後は溶解していました。
写真では見づらいですが黒い粉のようなもの(炭化したABS?)も少し混じっている状態でした。
アセトン漬けの状況(直後) アセトン漬けの状況(6時間後)
アセトン漬けにした後にドリルでゲル状の樹脂を掻き出し、クリーニングワイヤでノズル穴をクリーニングした後の状態が下の写真です。
アセトン漬け後クリーニングしたノズル面 アセトン漬け後クリーニングした裏面
- プリントヘッド側のチェック
ノズル側のクリーニングが完了したので、プリントヘッドのフィラメントが通る部分をクリーニングしました。
クリーニング用の治具を持っていなかったので、クリップをまっすぐに伸ばしたものをクリーニングピンとして使いました。
ノズルを外した状態でヒータをONにしてホットエンドを温めて、クリーニングピンで樹脂を取り除きましたが、ノズル付近に少し樹脂が付いていただけで特に問題(フィラメント押し出し時に抵抗が発生する状態)はありませんでした。
プリントヘッドのクリーニングピン プリントヘッドのクリーニング
- 予備品の購入
今後のこともあるのでebayでホットエンド部の予備品(今回のキットと同じものでヒーターやファンまでついて千円弱)とノズルの予備品を購入しておきました。
各部品が安く入手できることもキットの大きなメリットですね^^
ホットエンドの予備品