CNCルータでのモーターノイズ対策とPCB制作 [CNC]
「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事で書いたようにオブラート転写方式(トナー転写方式の一つの手法)で作成したプリント基板にCNCで穴開けしようとしたところ、穴の指定の深さよりもドリルが下がっていく現象に悩まされました・・
どうもZ軸のステッパーが脱調しているようです ^^;
モーターのノイズ対策としては定番のセラミックコンデンサをスピンドルモーターの電源入力部に付けました。
これによりノーマルモードのノイズを低減できますがコモンモードノイズ除去のためにモーターの電源端子からアースに対してもコンデンサを付けた方がいいのですが・・
モーターのフレームからアースを取る適当な個所がなかったのでかなり前に秋葉原の鈴商さんから購入したチョークコイルを使いコモンモードノイズに対しても対策しました。
回路は左下の図になります。コンデンサは手持ちにあったセラコン(0.1μと0.047μをパラ付け)を使っています。(電源接続部にもおまけで積層セラコン(0.1μ)を付けました)
右下の写真のように接続し、最後にショート防止のためグルーガンで固めました。
Z軸の動きが安定したので試しに「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事で作成しているものと同じ回路パターンをCNCで作ってみました。
最初に片面紙フェノール基板を削ってみたら予想以上に調子が良かったので両面のガラエポで試してみたところ、やはり断線が発生しました。
CNCでガラエポ基板を切削中の様子が下の写真です。
写真では判り辛いですが基板を張り付けたMDF合板の下に面取りしたアクリル板を敷いています。
CNCでの切削結果が下の写真です。
左側の紙フェノール基板は導通チェックした結果、問題なく回路が出来ていました。
右側のガラエポ基板では数か所で断線が発生しています。
右側のガラエポ基板の写真で上の方に半分見えるのが上の写真のもので下側では基板が動かないように基板の四隅をマスキングテープで張った状態で切削しました。
それでは紙フェノール基板とガラエポ基板の切削状態を比較してみます。
まず、SSOPパッケージのピン部分の比較が下の写真です。
紙フェノールの方がピンの四隅の角がパターンデータに近い状態になっています。
Via付近のパターン比較が下の写真です。流石にCNCではViaが丸くなっていますね ^^
トラックの幅は設計値が0.30mmであるところ、切削したパターンは 0.20mm くらいになっている箇所が多い状況でした。
最後に最も細くなったトラック部分のパターン状況です。ガラエポ基板の方は断線してしまっています。
紙フェノール基板(左側)ではトラック幅が 0.102mm ですが導通した状態です。トラックの右側にある先端が曲がった部分が使っているうちにショートしそうで怖いですが、もっと丁寧にヤスリがけし、ソルダーレジストで固めれば問題ないと思います。
全体を通して紙フェノール基板の方が設計データに近い切削状態になっています。
これは基板の固定があまい(マスキングテープで四隅を固定)したことから切削時に抵抗の大きいガラエポ基板では微妙に基板が動いていたことによるものではないかと推測しています。
最初は剥がせる両面テープで基板を固定していましたが
のため、マスキングテープで固定するようにしています。
また、切削時の抵抗が少なくなるようにFeedRateを 30mm/分 まで下げています。
しかし、マスキングテープは 0.数ミリ レベルで見ると左右方向に加わる力により微妙に動いているようなので、基板の固定方法を改善する必要があるのではないかと思っています。
また、今後の課題としてスピンドルモーターを上下に動かすZ軸のステッパーが切削中にかなり熱くなる(やっと手で触れる程度・・温度を計っていなかったぁ)ので冷却する方法検討をします。
他のステッパーがそれ程熱くなっていなかったのはフレームへ熱が伝わるためだと思います。
それに対してZ軸のステッパーはホルダが3Dプリンタで作ったような樹脂でできているので(だから安いんですが・・w)熱の逃げ場がないため熱くなっているようです。
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どうもZ軸のステッパーが脱調しているようです ^^;
モーターのノイズ対策としては定番のセラミックコンデンサをスピンドルモーターの電源入力部に付けました。
これによりノーマルモードのノイズを低減できますがコモンモードノイズ除去のためにモーターの電源端子からアースに対してもコンデンサを付けた方がいいのですが・・
モーターのフレームからアースを取る適当な個所がなかったのでかなり前に秋葉原の鈴商さんから購入したチョークコイルを使いコモンモードノイズに対しても対策しました。
回路は左下の図になります。コンデンサは手持ちにあったセラコン(0.1μと0.047μをパラ付け)を使っています。(電源接続部にもおまけで積層セラコン(0.1μ)を付けました)
右下の写真のように接続し、最後にショート防止のためグルーガンで固めました。
モーターノイズ対策回路 | ノイズ対策実装写真 |
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Z軸の動きが安定したので試しに「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事で作成しているものと同じ回路パターンをCNCで作ってみました。
最初に片面紙フェノール基板を削ってみたら予想以上に調子が良かったので両面のガラエポで試してみたところ、やはり断線が発生しました。
CNCでガラエポ基板を切削中の様子が下の写真です。
写真では判り辛いですが基板を張り付けたMDF合板の下に面取りしたアクリル板を敷いています。
ガラエポ基板切削中 |
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CNCでの切削結果が下の写真です。
左側の紙フェノール基板は導通チェックした結果、問題なく回路が出来ていました。
右側のガラエポ基板では数か所で断線が発生しています。
右側のガラエポ基板の写真で上の方に半分見えるのが上の写真のもので下側では基板が動かないように基板の四隅をマスキングテープで張った状態で切削しました。
切削結果(紙フェノール基板) | 切削結果(ガラエポ基板) |
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それでは紙フェノール基板とガラエポ基板の切削状態を比較してみます。
まず、SSOPパッケージのピン部分の比較が下の写真です。
紙フェノールの方がピンの四隅の角がパターンデータに近い状態になっています。
SSOPのピン(紙フェノール基板) | SSOPのピン(ガラエポ基板) |
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Via付近のパターン比較が下の写真です。流石にCNCではViaが丸くなっていますね ^^
トラックの幅は設計値が0.30mmであるところ、切削したパターンは 0.20mm くらいになっている箇所が多い状況でした。
Via付近(紙フェノール基板) | Via付近(ガラエポ基板) |
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最後に最も細くなったトラック部分のパターン状況です。ガラエポ基板の方は断線してしまっています。
紙フェノール基板(左側)ではトラック幅が 0.102mm ですが導通した状態です。トラックの右側にある先端が曲がった部分が使っているうちにショートしそうで怖いですが、もっと丁寧にヤスリがけし、ソルダーレジストで固めれば問題ないと思います。
やせ細ったトラック(紙フェノール基板) | やせ細ったトラック(ガラエポ基板) |
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全体を通して紙フェノール基板の方が設計データに近い切削状態になっています。
これは基板の固定があまい(マスキングテープで四隅を固定)したことから切削時に抵抗の大きいガラエポ基板では微妙に基板が動いていたことによるものではないかと推測しています。
最初は剥がせる両面テープで基板を固定していましたが
- 「剥がせる両面テープ」でも剥がすのが大変
- 両面テープの隅が重なったりした場合、基板の高さが変わってしまう
- ドリルで穴開けする際、両面テープのネバネバがドリルに絡まり抵抗が大きくなる(と思われる)。特に0.2~0.3mmレベルのドリルの場合心配です。
のため、マスキングテープで固定するようにしています。
また、切削時の抵抗が少なくなるようにFeedRateを 30mm/分 まで下げています。
しかし、マスキングテープは 0.数ミリ レベルで見ると左右方向に加わる力により微妙に動いているようなので、基板の固定方法を改善する必要があるのではないかと思っています。
また、今後の課題としてスピンドルモーターを上下に動かすZ軸のステッパーが切削中にかなり熱くなる(やっと手で触れる程度・・温度を計っていなかったぁ)ので冷却する方法検討をします。
他のステッパーがそれ程熱くなっていなかったのはフレームへ熱が伝わるためだと思います。
それに対してZ軸のステッパーはホルダが3Dプリンタで作ったような樹脂でできているので(だから安いんですが・・w)熱の逃げ場がないため熱くなっているようです。
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