CNCルータでの両面基板制作 [CNC]
「CNCルータでのモーターノイズ対策とPCB制作」の記事でCNCでの基板切削時の基板の固定があまいため切削結果が思わしくなかったと考えられる(特にガラエポ基板側)というようなことを書きました。
しかし、切削結果のパターンをよく見てみると腑に落ちない部分が出てきます。
以上からマスキングテープでの固定があまくて基板が動いたというよりはズレの状態として何通りか安定した状態があり、一旦安定したずれ状態に陥るとその状態が継続しているように思えます。(なので円形はカクカクした歪になる)
CNCを再度チェックしてみたら・・・・原因と思われる部分を見つけました!!
「CNCルーターのスピンドルモーター交換」の記事で書いた超静音で気に入っていたモーターの軸にわずかにガタがありました。
モーターのシャフトに手で左右の力を加えると微かにカクッとした感じがします。
このため、シャフトが傾いた状態で切削が進み、エンドミルを持ち上げた時や切削方向を変える時に元に戻る という感じで切削していたのではないかと思います。
モーターを元々ついていたものと同じ型番(775DC)に交換して切削してみたところ、CNCらしいきれいな切削が出来ました。(^^)
775モーターは合計3個持っていて当たりハズレ(というか動作状態が個体により大きく異なる)が激しく、特に「郵便受の怪奇現象」の記事で書いたものはひどい状態でした・・・
今回は3個中最もまともなものに交換して切削してみました。
シャフトにガタがあったモーターの超が付く静かさ(枕もとで回転していても寝れる・・部屋の隅で回転させていると回転試験していることを忘れてしまいそうになるw)も捨てがたいので、当たり狙いで1個注文しておきました。
それではモーター交換前後のガラエポ基板の切削状態を比較してみます。
最初に全体写真です。一目瞭然ですが左側のモーター交換前の方は上で書いた問題があり、これでもCNCなのか?という感じです。
右側の交換後の方は流石にCNC・・ほぼ設計通りに切削していてほれぼれする切削ぶりです^^
改善後側にある余分な穴は試験切削に使った両面基板の裏側を利用しているためですw
また、改善前側の左上の部分のパターンでFlatCAMでガーバーデータからNCデータに変換した時点でパターン分離が出来ていない部分があったため、パターンを見直しています。
次にSSOPパッケージのピン周りです。
こちらも見てのとおり改善後の方は改善前と比較すると設計データを忠実に再現しています。
角の直角具合もなかなかのものですねぇ ^^
次はVia付近のパターンです。
左側の改善前の方はViaの全貌が見えないですが、改善後の方は真円に近い出来栄えになっています。
右側で右下の溝のところに銅の屑が残っていますが、切削後クレンザーで洗うことで対処できると思います。
最後に最も細くなったトラック部分の写真です。
左側の改善前の方は断線しています・・・
改善後の方はトラック幅はほぼ一定で特に細くなっている部分は見当たらないのですが、敢えて上げればSSOPピン付近のトラックでした。
中国製の格安CNCミニルーターでここまでできるとは・・・驚きです。
モーターをもとの型番のものに戻したことで切削時の音は大きくなりましたが、それでも夜中でも苦情がでない程度の音です。
これは「CNCルーターでのエンドミルの回転ブレ対策」の記事で書いたようにシャフトとエンドミルの接続をカップリングからチャックに変えたことで回転軸ズレが小さくなった( 0.04mm程度)ことが効果を発揮している(当然切削結果にも効果が出ている)ものと思います。
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しかし、切削結果のパターンをよく見てみると腑に落ちない部分が出てきます。
- 連続的に細くなった直線パターン
マスキングテープによる固定が弱かったのであれば、トラックのパターンが一旦細くなったとしてもマスキングテープにより元に戻る力が掛かるので元に戻るはず。でも結果は細くなった直線のトラックが続いている箇所がある。
- 不揃いなSSOPのピン幅
SSOPのピン部分の切削パターンを見ても幅が太いピンと細いピンができている。マスキングテープが原因であれば上記と同様に元に戻る力が発生するはず。
- 円形の切削部分の歪み形状
左下の写真の左下の角の部分にある固定ネジ用の大きな円形の切削がカクカクした感じで歪んでいる。マスキングテープの固定が原因であればカクカクはせず、楕円形もしくは小さめの円形のようになるはず。
以上からマスキングテープでの固定があまくて基板が動いたというよりはズレの状態として何通りか安定した状態があり、一旦安定したずれ状態に陥るとその状態が継続しているように思えます。(なので円形はカクカクした歪になる)
CNCを再度チェックしてみたら・・・・原因と思われる部分を見つけました!!
「CNCルーターのスピンドルモーター交換」の記事で書いた超静音で気に入っていたモーターの軸にわずかにガタがありました。
モーターのシャフトに手で左右の力を加えると微かにカクッとした感じがします。
このため、シャフトが傾いた状態で切削が進み、エンドミルを持ち上げた時や切削方向を変える時に元に戻る という感じで切削していたのではないかと思います。
モーターを元々ついていたものと同じ型番(775DC)に交換して切削してみたところ、CNCらしいきれいな切削が出来ました。(^^)
775モーターは合計3個持っていて当たりハズレ(というか動作状態が個体により大きく異なる)が激しく、特に「郵便受の怪奇現象」の記事で書いたものはひどい状態でした・・・
今回は3個中最もまともなものに交換して切削してみました。
シャフトにガタがあったモーターの超が付く静かさ(枕もとで回転していても寝れる・・部屋の隅で回転させていると回転試験していることを忘れてしまいそうになるw)も捨てがたいので、当たり狙いで1個注文しておきました。
それではモーター交換前後のガラエポ基板の切削状態を比較してみます。
最初に全体写真です。一目瞭然ですが左側のモーター交換前の方は上で書いた問題があり、これでもCNCなのか?という感じです。
右側の交換後の方は流石にCNC・・ほぼ設計通りに切削していてほれぼれする切削ぶりです^^
改善後側にある余分な穴は試験切削に使った両面基板の裏側を利用しているためですw
また、改善前側の左上の部分のパターンでFlatCAMでガーバーデータからNCデータに変換した時点でパターン分離が出来ていない部分があったため、パターンを見直しています。
切削結果(改善前) | 切削結果(改善後) |
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次にSSOPパッケージのピン周りです。
こちらも見てのとおり改善後の方は改善前と比較すると設計データを忠実に再現しています。
角の直角具合もなかなかのものですねぇ ^^
SSOPのピン(改善前) | SSOPのピン(改善後) |
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次はVia付近のパターンです。
左側の改善前の方はViaの全貌が見えないですが、改善後の方は真円に近い出来栄えになっています。
右側で右下の溝のところに銅の屑が残っていますが、切削後クレンザーで洗うことで対処できると思います。
Via付近(改善前) | Via付近(改善後) |
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最後に最も細くなったトラック部分の写真です。
左側の改善前の方は断線しています・・・
改善後の方はトラック幅はほぼ一定で特に細くなっている部分は見当たらないのですが、敢えて上げればSSOPピン付近のトラックでした。
やせ細ったトラック(改善前) | やせ細ったトラック(改善後) |
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中国製の格安CNCミニルーターでここまでできるとは・・・驚きです。
モーターをもとの型番のものに戻したことで切削時の音は大きくなりましたが、それでも夜中でも苦情がでない程度の音です。
これは「CNCルーターでのエンドミルの回転ブレ対策」の記事で書いたようにシャフトとエンドミルの接続をカップリングからチャックに変えたことで回転軸ズレが小さくなった( 0.04mm程度)ことが効果を発揮している(当然切削結果にも効果が出ている)ものと思います。
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CNCルータでのモーターノイズ対策とPCB制作 [CNC]
「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事で書いたようにオブラート転写方式(トナー転写方式の一つの手法)で作成したプリント基板にCNCで穴開けしようとしたところ、穴の指定の深さよりもドリルが下がっていく現象に悩まされました・・
どうもZ軸のステッパーが脱調しているようです ^^;
モーターのノイズ対策としては定番のセラミックコンデンサをスピンドルモーターの電源入力部に付けました。
これによりノーマルモードのノイズを低減できますがコモンモードノイズ除去のためにモーターの電源端子からアースに対してもコンデンサを付けた方がいいのですが・・
モーターのフレームからアースを取る適当な個所がなかったのでかなり前に秋葉原の鈴商さんから購入したチョークコイルを使いコモンモードノイズに対しても対策しました。
回路は左下の図になります。コンデンサは手持ちにあったセラコン(0.1μと0.047μをパラ付け)を使っています。(電源接続部にもおまけで積層セラコン(0.1μ)を付けました)
右下の写真のように接続し、最後にショート防止のためグルーガンで固めました。
Z軸の動きが安定したので試しに「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事で作成しているものと同じ回路パターンをCNCで作ってみました。
最初に片面紙フェノール基板を削ってみたら予想以上に調子が良かったので両面のガラエポで試してみたところ、やはり断線が発生しました。
CNCでガラエポ基板を切削中の様子が下の写真です。
写真では判り辛いですが基板を張り付けたMDF合板の下に面取りしたアクリル板を敷いています。
CNCでの切削結果が下の写真です。
左側の紙フェノール基板は導通チェックした結果、問題なく回路が出来ていました。
右側のガラエポ基板では数か所で断線が発生しています。
右側のガラエポ基板の写真で上の方に半分見えるのが上の写真のもので下側では基板が動かないように基板の四隅をマスキングテープで張った状態で切削しました。
それでは紙フェノール基板とガラエポ基板の切削状態を比較してみます。
まず、SSOPパッケージのピン部分の比較が下の写真です。
紙フェノールの方がピンの四隅の角がパターンデータに近い状態になっています。
Via付近のパターン比較が下の写真です。流石にCNCではViaが丸くなっていますね ^^
トラックの幅は設計値が0.30mmであるところ、切削したパターンは 0.20mm くらいになっている箇所が多い状況でした。
最後に最も細くなったトラック部分のパターン状況です。ガラエポ基板の方は断線してしまっています。
紙フェノール基板(左側)ではトラック幅が 0.102mm ですが導通した状態です。トラックの右側にある先端が曲がった部分が使っているうちにショートしそうで怖いですが、もっと丁寧にヤスリがけし、ソルダーレジストで固めれば問題ないと思います。
全体を通して紙フェノール基板の方が設計データに近い切削状態になっています。
これは基板の固定があまい(マスキングテープで四隅を固定)したことから切削時に抵抗の大きいガラエポ基板では微妙に基板が動いていたことによるものではないかと推測しています。
最初は剥がせる両面テープで基板を固定していましたが
のため、マスキングテープで固定するようにしています。
また、切削時の抵抗が少なくなるようにFeedRateを 30mm/分 まで下げています。
しかし、マスキングテープは 0.数ミリ レベルで見ると左右方向に加わる力により微妙に動いているようなので、基板の固定方法を改善する必要があるのではないかと思っています。
また、今後の課題としてスピンドルモーターを上下に動かすZ軸のステッパーが切削中にかなり熱くなる(やっと手で触れる程度・・温度を計っていなかったぁ)ので冷却する方法検討をします。
他のステッパーがそれ程熱くなっていなかったのはフレームへ熱が伝わるためだと思います。
それに対してZ軸のステッパーはホルダが3Dプリンタで作ったような樹脂でできているので(だから安いんですが・・w)熱の逃げ場がないため熱くなっているようです。
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どうもZ軸のステッパーが脱調しているようです ^^;
モーターのノイズ対策としては定番のセラミックコンデンサをスピンドルモーターの電源入力部に付けました。
これによりノーマルモードのノイズを低減できますがコモンモードノイズ除去のためにモーターの電源端子からアースに対してもコンデンサを付けた方がいいのですが・・
モーターのフレームからアースを取る適当な個所がなかったのでかなり前に秋葉原の鈴商さんから購入したチョークコイルを使いコモンモードノイズに対しても対策しました。
回路は左下の図になります。コンデンサは手持ちにあったセラコン(0.1μと0.047μをパラ付け)を使っています。(電源接続部にもおまけで積層セラコン(0.1μ)を付けました)
右下の写真のように接続し、最後にショート防止のためグルーガンで固めました。
モーターノイズ対策回路 | ノイズ対策実装写真 |
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Z軸の動きが安定したので試しに「両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式」の記事で作成しているものと同じ回路パターンをCNCで作ってみました。
最初に片面紙フェノール基板を削ってみたら予想以上に調子が良かったので両面のガラエポで試してみたところ、やはり断線が発生しました。
CNCでガラエポ基板を切削中の様子が下の写真です。
写真では判り辛いですが基板を張り付けたMDF合板の下に面取りしたアクリル板を敷いています。
ガラエポ基板切削中 |
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CNCでの切削結果が下の写真です。
左側の紙フェノール基板は導通チェックした結果、問題なく回路が出来ていました。
右側のガラエポ基板では数か所で断線が発生しています。
右側のガラエポ基板の写真で上の方に半分見えるのが上の写真のもので下側では基板が動かないように基板の四隅をマスキングテープで張った状態で切削しました。
切削結果(紙フェノール基板) | 切削結果(ガラエポ基板) |
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それでは紙フェノール基板とガラエポ基板の切削状態を比較してみます。
まず、SSOPパッケージのピン部分の比較が下の写真です。
紙フェノールの方がピンの四隅の角がパターンデータに近い状態になっています。
SSOPのピン(紙フェノール基板) | SSOPのピン(ガラエポ基板) |
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Via付近のパターン比較が下の写真です。流石にCNCではViaが丸くなっていますね ^^
トラックの幅は設計値が0.30mmであるところ、切削したパターンは 0.20mm くらいになっている箇所が多い状況でした。
Via付近(紙フェノール基板) | Via付近(ガラエポ基板) |
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最後に最も細くなったトラック部分のパターン状況です。ガラエポ基板の方は断線してしまっています。
紙フェノール基板(左側)ではトラック幅が 0.102mm ですが導通した状態です。トラックの右側にある先端が曲がった部分が使っているうちにショートしそうで怖いですが、もっと丁寧にヤスリがけし、ソルダーレジストで固めれば問題ないと思います。
やせ細ったトラック(紙フェノール基板) | やせ細ったトラック(ガラエポ基板) |
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全体を通して紙フェノール基板の方が設計データに近い切削状態になっています。
これは基板の固定があまい(マスキングテープで四隅を固定)したことから切削時に抵抗の大きいガラエポ基板では微妙に基板が動いていたことによるものではないかと推測しています。
最初は剥がせる両面テープで基板を固定していましたが
- 「剥がせる両面テープ」でも剥がすのが大変
- 両面テープの隅が重なったりした場合、基板の高さが変わってしまう
- ドリルで穴開けする際、両面テープのネバネバがドリルに絡まり抵抗が大きくなる(と思われる)。特に0.2~0.3mmレベルのドリルの場合心配です。
のため、マスキングテープで固定するようにしています。
また、切削時の抵抗が少なくなるようにFeedRateを 30mm/分 まで下げています。
しかし、マスキングテープは 0.数ミリ レベルで見ると左右方向に加わる力により微妙に動いているようなので、基板の固定方法を改善する必要があるのではないかと思っています。
また、今後の課題としてスピンドルモーターを上下に動かすZ軸のステッパーが切削中にかなり熱くなる(やっと手で触れる程度・・温度を計っていなかったぁ)ので冷却する方法検討をします。
他のステッパーがそれ程熱くなっていなかったのはフレームへ熱が伝わるためだと思います。
それに対してZ軸のステッパーはホルダが3Dプリンタで作ったような樹脂でできているので(だから安いんですが・・w)熱の逃げ場がないため熱くなっているようです。
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両面プリント基板の制作実験(その7)オブラート転写方式 [PIC]
引き続きピン間隔 0.65mm のSSOPパッケージのPIC16F88を実装する両面プリント基板の製作状況ですが、今回はオブラート転写方式で問題なくパターンができたので書いてみます。また、ソルダーレジスト処理もやってみたので状況を書きます。
まず、初めにSSOPパッケージ付近のパターンを見直し、SSOPのピンから平行に引き出していた配線パターンにビアを打っていた部分をなくし、パターン間隔を広げてからビアを打つようにしました。
こうすることで配線幅を0.25mm から0.30mm(CNCでパターン作成し易くするため)、ビアの直径を0.70mmから0.85mm(CNCで穴開けする際の位置ずれマージン拡大のため)にしてパターンを作り易いように変更しています。
また、OneBitLoaderでPICに書き込む前提だったので 最初の Pickit での書込みをあまり考えていませんでした。
「両面プリント基板の制作実験(その4)」で書いた回路図ではプルアップ抵抗を省略するためにRA5/MCLR/VPPピンとRB2を接続していましたが、PicKit3で書込み確認したところ、この状態では書込みがエラーになってしまうので直接接続ではなく10Kの抵抗で接続するように変更しました。
RB2をコネクタに出さずにRA5をプルアップするだけでも良いのですが、RA5を入力として使う場合、ソフト制御でプルアップ/プルダウンできる分、自由度が増すかなぁ(そんな使い方はしないけど)と思いちょっとイレギュラーな接続にしています。
★2017/11/06 追記 {
R2が10Kではスイッチ状態をRB2では読めず(ON状態で2V程度で入力値は1)、R2を1Kくらいにする必要があります(今回はRA5で読むようにした)
}
出来上がったパターン図は下図のようになりました。追加した10Kの抵抗はトップ側のコネクタの間に配置しています。
前回の記事ではオブラート転写方式について「エッチング時間を調整すれば実用可能な気がします」と書きましたが、やはりエッチング時間を調整にすることでエッチング後に断線やショートもないパターンができました。
SSOPパッケージの回路パターンはオブラート転写方式でも十分作れることが判りました。
ベタパターン部分に小さなホールが開くことがありますがエッチング前のチェック時にマジックで補正すればある程度防げます。
また、配線パターン上にホールが発生して断線することは(今まで)なかったのでホールはベタパターンに発生しやすいものと思います。
ホールの発生原因の詳細はまだわからないので改善対策も考えついていませんがあまり悪さもしないので現状はこのままにしています。
基板にアクリル系の塗装をしてからトナー転写後、トナーの付いていない部分の塗装をアルコールで取り除く方法をネットで見つけ、原理的にはなるほどと思い、実際にやってみましたがトナーがアルコールで落ちてしまいうまくいきませんでした・・
因みに上記のようにビアサイズを変更した結果、エッチング後のビアパターンの前後比較は下の写真のようになりました。
それではオブラート転写方式でのプリント基板の作成作業の概要を順を追って書いてみます。
以上が今回行った手順の簡単な説明で、オブラート転写方式でシルク印刷もどきを行った後、CNCで穴開けする予定です。
シルク印刷もどきについては、ページプリンタで黄色で印刷したものをオブラート転写方式で転写するつもりですが、PDFの印刷パターンを黄色に変換するやり方を調査中です( Inkscapeで黄色にしたら何故か解像度がガタ落ちした状態になった・・・)
まぁシルク印刷はなくてもいいかなぁとも思っています。
★2017/10/04 追記
PDFファイルのシルクデータをInkscapeで黄色にできたけどソルダーレジスト面にトナーを転写しようとしても表面がツルツルなのでうまく転写できないことが判りました^^;
トナーではなくもっとべっとりしたものじゃないと駄目ですね・・・
★2017/10/09 追記
Viaの処理についてですが、ドリルで 0.30mm の穴を開けて(手作業では無理なのでCNCで開けた)、その穴に 0.20mm の銅線を通して半田ペーストを塗ってからヒートガンで半田付けしてみました。
結構細かい作業になりますが、ヒートガンでまとめて半田付けするので1本づつ半田付けするよりは効率的・・かなぁ~w
因みに0.20mm のホールに0.20mm の銅線は通りませんでした。
★2017/11/09 追記
「CNCルータでの両面基板制作(その2) Via処理と基板制作」の記事に改善したVia処理方法(曲げ固定Via処理法)を記載しました。
★2017/10/09 追記
CNCでの両面基板作成検討状況を「CNCルータでのモーターノイズ対策とPCB制作」の記事に書きました。
★2017/11/24 追記
このブログは関連記事へのアクセスがし辛いのでどうにかしたいとは思っているのですが、メンテも面倒になるので対応できていません・・(今のところタグ検索でたどり着けるようにはしているつもり)
この記事で記載したオブラート転写方式のブログデビュー記事(=ネット初公開記事)は「両面プリント基板の制作実験(その3)」になります。
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まず、初めにSSOPパッケージ付近のパターンを見直し、SSOPのピンから平行に引き出していた配線パターンにビアを打っていた部分をなくし、パターン間隔を広げてからビアを打つようにしました。
こうすることで配線幅を0.25mm から0.30mm(CNCでパターン作成し易くするため)、ビアの直径を0.70mmから0.85mm(CNCで穴開けする際の位置ずれマージン拡大のため)にしてパターンを作り易いように変更しています。
また、OneBitLoaderでPICに書き込む前提だったので 最初の Pickit での書込みをあまり考えていませんでした。
「両面プリント基板の制作実験(その4)」で書いた回路図ではプルアップ抵抗を省略するためにRA5/MCLR/VPPピンとRB2を接続していましたが、PicKit3で書込み確認したところ、この状態では書込みがエラーになってしまうので直接接続ではなく10Kの抵抗で接続するように変更しました。
RB2をコネクタに出さずにRA5をプルアップするだけでも良いのですが、RA5を入力として使う場合、ソフト制御でプルアップ/プルダウンできる分、自由度が増すかなぁ(そんな使い方はしないけど)と思いちょっとイレギュラーな接続にしています。
見直した回路図(DesignSparkPCBで作成) |
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★2017/11/06 追記 {
R2が10Kではスイッチ状態をRB2では読めず(ON状態で2V程度で入力値は1)、R2を1Kくらいにする必要があります(今回はRA5で読むようにした)
}
出来上がったパターン図は下図のようになりました。追加した10Kの抵抗はトップ側のコネクタの間に配置しています。
トップパターン | ボトムパターン |
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前回の記事ではオブラート転写方式について「エッチング時間を調整すれば実用可能な気がします」と書きましたが、やはりエッチング時間を調整にすることでエッチング後に断線やショートもないパターンができました。
SSOPパッケージの回路パターンはオブラート転写方式でも十分作れることが判りました。
ベタパターン部分に小さなホールが開くことがありますがエッチング前のチェック時にマジックで補正すればある程度防げます。
また、配線パターン上にホールが発生して断線することは(今まで)なかったのでホールはベタパターンに発生しやすいものと思います。
ホールの発生原因の詳細はまだわからないので改善対策も考えついていませんがあまり悪さもしないので現状はこのままにしています。
基板にアクリル系の塗装をしてからトナー転写後、トナーの付いていない部分の塗装をアルコールで取り除く方法をネットで見つけ、原理的にはなるほどと思い、実際にやってみましたがトナーがアルコールで落ちてしまいうまくいきませんでした・・
因みに上記のようにビアサイズを変更した結果、エッチング後のビアパターンの前後比較は下の写真のようになりました。
前回のビアパターン例 | 今回のビアパターン例 |
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それではオブラート転写方式でのプリント基板の作成作業の概要を順を追って書いてみます。
- コピー用紙へのオブラート貼り付け
スティック糊(シワなしPiT)を使ってコピー用紙にオブラートを貼り付けます。
張付け後、すぐにまだ温まっていない状態のラミネータに2回通します。この時ラミネータのローラーに貼り付かないように転写用シート(シールの台紙のような転写用シート)をかぶせます。
ラミネートを通した後、剥がした転写シートは再利用可能です。
トナー転写用に使ったオブラート(Amazonで購入)
- トナーの転写
オブラートを張った後、少し(10分以上)時間をおいてから(時間を置かないと印刷時の熱でオブラートが伸びてパターンに亀裂が入る)オブラート部分にページプリンタでパターンを印刷し、パターン部分をきれいに切り取ります。
切り取ったパターンをCNCで切り出した両面基板に位置ずれしないように注意しながらマスキングテープで基板の隅を固定します。
固定した状態のものをコピー用紙で挟みラミネータ(「OHM A4 パーソナルラミネーター LAM-438」を使用)の温度切り替えスイッチ「Ⅱ」で3回程度通します。
印刷したパターン(切取り中) 基板への印刷パターン固定
- 紙剥がし
ラミネータに通した後、温度が冷めてから水に2~3分漬けます。
コピー用紙に水がしみてくるとオブラートが(エイリアンのネバネバのような)ゲル状になるので紙を静かに剥がします。
残ったネバネバは水を流しながら指先で軽くこすると簡単に流れ落ちます。 - エッチング
エッチング液に浸しエッチングします。私はトナーが付いていない部分がピカピカ反射しなくなるのを目安にしていますが、エッチング過剰(断線等)よりはエッチング不足(ショート)の方が対処し易いし、不足の場合はそのままエッチング液に付ければ継続できるのでエッチング過剰にならないように注意しながら作業します。
エッチング後はグランドのベタパターンと信号パターンが絶縁できているか、信号パターンが導通しているか、他の信号パターンと絶縁しているか等を確認します。
エッチング結果(トップ) エッチング結果(ボトム)
今回のパターンで最も混み入った部分であるSSOPのピンの部分拡大写真が下の写真です。特に問題なくきれいにできています。^^
SSOPのピン部分の拡大
- ソルダーレジスト
今まで自作したプリント基板にはフラックスを塗布していましたが、べたついた感じで半田付け時に汚れたり、フラックスがほとんど取れてしまったりしていたので今回は ebay で安く売っている(10mlで200円弱)PCB UV Curable Solder Maskを使ってソルダーレジスト処理をしてみました。
マスクパターンの印刷シートは ebay から購入した「Inkjet &Laser Printing Transparency Film Photographic Paper For DIY PCB」を使っています。
マスクはページプリンタで印刷したものを2重にして使いました。
ソルダーレジストマスクの印刷
プリント基板にレジストのペーストを少量付けた後に透明シート(上記のプリント用シートを使用)を被せてなるべく均一になるように伸ばします。 - 小さなマスクパターン部分は拭き取るだけでは取れないので尖ったもので剥がしとる。
- 感光不足だと透明シートを剥がす時にレジストがシート側についてきて部分的に剥がれてしまう。
- かといって感光しすぎるとマスク部分が剥がしづらくなるのでレジストの塗布は薄い方が作業しやすい(見た目も重視すればそこそこの厚さがいい)
また、エッチング前に転写したパターンをチェックし、必要であればマジックペンでマスクを修正します。
下の写真はマジックで修正前のものです。
トナー転写結果(トップ) | トナー転写結果(ボトム) |
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厚く塗りすぎると感光しても基板に接している部分が固まらず透明シートを剥がす時にレジスト膜がシート側に付着してしまうことがあります。
伸ばした後は上に感光マスクを乗せてその上にガラス板を被せて紫外線を当てて感光します(私の環境では薄く塗った場合2分程度、厚めの場合3分程度でした)
感光後にアセトンをしみ込ませたティッシュで拭き取ると固まっていないマスクした部分のレジストを取り除けます。
最後にマスク部分を取り除いたものを再度感光しレジスト剤を完全に固めます。一旦固まると剥がすのが困難になります(剥がすというより削る感じになる)
回路パターンよりは難易度はかなり低いですが、注意点としては
ソルダーレジスト処理後が次の写真です。トップ面はレジストを薄くしすぎたかも・・
ソルダーレジスト結果(トップ) | ソルダーレジスト結果(ボトム) |
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ソルダーレジストするとプリント基板の銅面の酸化などに対する耐久性も上がりますし、何よりも見た目がプリント基板らしくなります w
ペースト状ではなくフィルムのレジストで感光後removerで溶かすタイプのソルダーレジストならば、塗布の村が出来ずきれいに仕上がりそうですが、ebay 価格でも値段が高いです・・・
また、酸化対策という意味では YouTube等ではスズメッキ処理する動画がありますが、必要な薬剤が ebay 価格でも高いのでまだ試していません。
以上が今回行った手順の簡単な説明で、オブラート転写方式でシルク印刷もどきを行った後、CNCで穴開けする予定です。
シルク印刷もどきについては、ページプリンタで黄色で印刷したものをオブラート転写方式で転写するつもりですが、PDFの印刷パターンを黄色に変換するやり方を調査中です( Inkscapeで黄色にしたら何故か解像度がガタ落ちした状態になった・・・)
まぁシルク印刷はなくてもいいかなぁとも思っています。
★2017/10/04 追記
PDFファイルのシルクデータをInkscapeで黄色にできたけどソルダーレジスト面にトナーを転写しようとしても表面がツルツルなのでうまく転写できないことが判りました^^;
トナーではなくもっとべっとりしたものじゃないと駄目ですね・・・
★2017/10/09 追記
Viaの処理についてですが、ドリルで 0.30mm の穴を開けて(手作業では無理なのでCNCで開けた)、その穴に 0.20mm の銅線を通して半田ペーストを塗ってからヒートガンで半田付けしてみました。
結構細かい作業になりますが、ヒートガンでまとめて半田付けするので1本づつ半田付けするよりは効率的・・かなぁ~w
因みに0.20mm のホールに0.20mm の銅線は通りませんでした。
Viaホールに通した銅線 | 半田付け後 |
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★2017/11/09 追記
「CNCルータでの両面基板制作(その2) Via処理と基板制作」の記事に改善したVia処理方法(曲げ固定Via処理法)を記載しました。
★2017/10/09 追記
CNCでの両面基板作成検討状況を「CNCルータでのモーターノイズ対策とPCB制作」の記事に書きました。
★2017/11/24 追記
このブログは関連記事へのアクセスがし辛いのでどうにかしたいとは思っているのですが、メンテも面倒になるので対応できていません・・(今のところタグ検索でたどり着けるようにはしているつもり)
この記事で記載したオブラート転写方式のブログデビュー記事(=ネット初公開記事)は「両面プリント基板の制作実験(その3)」になります。
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