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フィラメントの湿気対策(その4) [3D_printer]


1.はじめに
 「3DプリンタBambuLabA1miniの購入」の記事で書いたように Bambu Lab A1 mini(以降 A1mini と記す)を購入し、フィラメントの湿気対策として A1mini 用のフィラメントボックスを作成しましたので記録しておきたいと思います。


2.採用した密封容器
 保存容器自体は3Dプリンタで作るのが難しいので市販で安い密封ケースを探しました。フィラメントボックスの自作情報をネットで探すと DAISO の密封容器を使ったものが多いようですが横置きのタイプに足をつけて縦にする必要があります。 また、自作ボックスの殆どはセンターポールでスプールを支える方式ですが、フィラメントの交換が面倒なので外周支点型スプールホルダを採用します。
 Amazon でケースを探すと 1,500 円程度でフィラメントの収納にジャストサイズのケースがフィラメントボックス用として販売されています。
 今回採用したのはヨドバシさんで見つけた ¥669 の下記のもので、蓋の部分がシリカゲル格納用の構造になっています。パッキン式ではないことが気になりますが、蓋は本体の淵を 5mm 程度挟み込んでいて購入者のコメントで「のりがいつでもパリパリ」とあったので採用することを決めました。

★追記 2024/11/05 Amazonでも ¥608 で販売していました

 イノマタ化学 1216 保存容器 乾物 ストッカー 6.0 クリアーブラック
  • サイズ:幅100×奥行250×高さ305mm
  • 材質:本体=ポリプロピレン、フタ=ポリエチレン
  • 容量:6L
  • 耐冷耐熱温度:本体=-20~120℃、フタ=-30~70℃
  • 乾燥剤(シリカゲル)1個入り


イノマタ化学 1216 保存容器 乾物 ストッカー 6.0



3.フィラメントスプールホルダの改造
 密封ケースは幅が 10cm 以上になるとフィラメントボックスに使いやすい縦置きのケースが殆どなくなってしまうことが判ったので「フィラメントスプールホルダの製作(その3)」の記事で書いた外周支点型スプールホルダの幅をよりコンパクトになるように改造しました。
 横幅を縮める為にベアリングをローラー内に格納し、ねじ構造の部品を使ってベアリングを両側から挟み込むようにしています。

ベアリング(紫色部分)の固定方法


 CAD画面のキャプチャーも貼っておきます。幅は 86mm に収まりました。ボールベアリングの部分もすっきりしましたね^^

スプールホルダCAD画面(表側)
★変更 2024/11/05 横幅のサイズを見直しました
★変更 2024/11/11 ロール受け部分の強度を強化


 裏側が下図になります。従来からの踏襲でフレームは三つの部品を結合するようにしています。

スプールホルダCAD画面(裏側)


 前回は緑色のローラーの部分を従来のデルタ式3Dプリンタを使って ABSフィラメントで造形しましたが、ABSフィラメントを使い切ったので使いかけの緑色のPETGフィラメントを使いデルタ式3Dプリンタで出力しました。ローラーとローラー内のポール以外のパーツは A1mini で造形しています。フレームのネジの部分は横向きですがサポート材無しに出力できました。流石 A1mini ですね。

 3Dプリンタで造形したパーツを組み立てた後の写真が下図です。

スプールホルダ(表面)


 下の写真は裏側で結合部分もピッタリですね。この状態で床の上で押すと玩具の車のように走りますw

スプールホルダ(裏側)


 フィラメントスプールを乗せるとこんな感じです。フィラメントの多くは幅が 60mm なので少しだけ余裕があります。

フィラメントスプールとスプールホルダ



4.その他の部品
 手持ちの温湿度計をケース内に固定するための部品も作りました。

温湿度計用固定部品


★追記 2024/11/05 温湿度計固定部品の写真を追加 {
 写真では判り辛いですがアイロニング指定をオンにして造形しているので3Dプリンタの出力じゃないんじゃないかと思う程、ツルツルに仕上がっています。

温湿度計と固定部品
}

 その他に必要なものはプリンタまで繋ぐためのPTFEチューブとチューブ用のカップラーです。カップラーはフィラメントの抵抗が小さくなるようにチューブが下まで通せるタイプがいいです。

PTFEチューブを通せるタイプのカップラー(再掲)


 今回採用したケースにはシリカゲル収納用の棚が付いているのでまずはそのまま使いたいと思います。シリカゲルが足りない場合には別途内蔵型のシリカゲルバスケットを追加します。


5.完成したフィラメントボックス
 透明なスプールなので状態が少し判り辛いですが完成したフィラメントボックスが下の写真です。安定性を考慮し、幅の広い方(シリカゲル用の棚が無い側)を下にしました。フィラメントのサイズにジャストフィットです^^
 側面が曇りガラス状なので温湿度計の表示が少し見づらいですね。

完成したフィラメントボックス


 A1mini と接続した状態が下の写真です。想定通りにコンパクトにまとめることができました^^/

A1miniとフィラメントボックス



★追記 2024/11/06
 今回作成したフィラメントボックスはコンパクトで場所を取らないので蓋の色が透明な密封容器を使って従来から使っていたデルタ式3Dプリンタ用の物も作りました。
 蓋をしてから約12時間後の湿度を確認した結果が下の写真です。室内湿度が51%なのに対してフィラメントボックス内の湿度は17%まで下がっているので問題無いですね。

12時間後の温湿度計の表示



★追記 2024/11/09
 上の写真ではボックス内の湿度が17%まで下がっていますが、もう片方はシリカゲルを交換しても湿度が28%位までしか下がりません。そこで外界との接点であるフィラメント出力部のカップリング用のパッキンを作成してみました。
 使用したフィラメントはパッキンがTPUでナットはPETGです。あまり使用頻度は高くないですがTPUフィラメントもあると便利ですね。
 以前、AliExpress で販売しているパッキンセットを購入しようかと思ったこともありましたが「TPUで好きな形状のパッキンを作れるしなぁ」と考え思いとどまりました。

防湿用のパッキンとナット(CAD画面)


 フィラメント用カップリングと3Dプリンタで造形したパッキンとナットが下の写真です。3Dプリンタがあると自分で作れる範囲が広がり楽しいですね。

造形したパッキンとナット




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