3DプリンタBambuLabA1miniの購入 [購入]
1.はじめに
「デルタ式3Dプリンタ(Kossel Reprap)の購入」の記事で書いた2017年1月に購入したデルタ式3Dプリンタは今でも調子良く動いていますが、昨今の高速な3Dプリンタにも興味があります。
Bambu Lab A1 mini(以降 A1mini と記す)が「ブラックフライデーセール 10/22(火)~12/6(金)」で定価¥52,800のところ¥29,800に値引きされていて「0.2mmノズル付きホットエンド」¥1,584(2割引き)と共に注文しました。メルマガ登録で更に2千円引きで、この背中への圧力には耐えられませんでしたw
荷物が着荷したのでファーストインプレッション的なものを書いてみます。
2.組立は超簡単
A1mini はネット上では中々いい評判です。開梱からセットアップまでの情報はネット上に沢山あるのでそちらを参照して欲しいですが、ネジを数本取り外したり締め付けたりするだけで動作可能な状態になります。
今回はフィラメント切り替えオプション(AMS lite)は無しですが、唯一、少し悩んだ点として「PTFEチューブをフィラメントハブ(4つの穴が開いている)のどの穴に入れるか」です。結果としては左手前の穴に入れました。構造から考えてどの穴でもよかったものと推測します。また、弄っていて判ったのですがPTFEチューブを抜く時はチューブカップラーのように外枠を押すと抜けます。
下の写真は組み立てが完了した状態のものです。付属のフィラメントスプールホルダは取り外し「フィラメントスプールホルダの製作(その3)」の記事で書いたスプールホルダを使っています。
A1mini 組立後の様子 |
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3.サンプルデータの出力
最初にWiFiに接続すると直ぐにミドルウェアのアップデート要求があり、最新バージョン(01.03.01.02)になりました。次に全体のキャリブレーション(約27分)を実施する必要があります。
Banbu製の白いPLAフィラメントが 20g 添付されていたのでサンプルデータの中の「Pocket Copter」を出力してみました。
ディフォルトでは出力の度に振動と流量のキャリブレーションがあり、印刷時はかなり静かなのですが、振動キャリブレーションの時は少しうるさいです。また、フィラメントの流量キャリブレーションではフィラメントを丸めたゴミを2個、A1mini が左側に投げ捨てますw
下の写真は出力されたパーツです。白いので写真では良く判りませんが驚くほど綺麗です。積層間隔は0.2mmだと思いますが積層痕が殆どありません。
Pocket Copter 出力部品 |
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組み立てると下の写真のようになります。ネジの部分もピッタリでプロペラ部分もスムーズに回転します。今までPLAは加工性が悪い(硬くて削ったりし辛い)ので敬遠してきましたが、これほど綺麗なら使いたくなってしまいますね。
でもこの綺麗さは側面がなだらかで崩れにくい等、元データが素晴らしいという要素も多分にあると思います。
Pocket Copter 組立後の様子 |
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4.PETGフィラメントでの自作STLファイルの出力
STLファイルをスライスするためにはパソコンに Bambu Studio をインストールする必要があります。フィラメント設定で「Generic PETG」を選択するとノズルの温度が 255℃ に設定され(従来使っていたプリンタではeSUMのPETGを1層目:235°、2層以降:230°で使っていた)、流量比も何故か少な目(0.95)になっていましたがまずはそのままで出力してみました。 サンプルとしてポケコンのコネクタ部の自作部品を出力しました。
下図は出力時の Bambu Studio の画面キャプチャです。再生ボタンを押すと A1mini の内蔵カメラがとらえた画像が表示されます。また、外部スプールの表示はパソコン側で選択したフィラメントではなく、A1mini のタッチパネル操作で設定したフィラメントが表示されているようですが、スライス自体はパソコン側で行っているのでパソコン側で設定したフィラメントのパラメータで動作します。スライスしたデータを A1mini に送信する際は WiFi 経由で直接 A1mini に送信するのではなく、クラウド経由になるのが少し謎ですね。
出力中のパソコン画面 |
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下の写真が出力したもので、突起部分の強度が弱く、手で力を入れると直ぐに折れてしまいました。
PETGで出力したコネクタ部品 |
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ノズルの移動速度が速いために積層間の結合が弱いのかと推測しましたが、ノズル温度を従来の235℃/230℃に設定し、流量比も1.0に変更してみたところ、強度は問題ない状態になりました。ノズル温度が高い程積層間の結合が強くなりそうなものですが、温度が低く粘性があった方がねっとりと積層され強度が増すようです。上の写真の左側は変更したパラメータで出力したものです。
PETGの変更後のパラメータ |
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5.PETGフィラメントでの出力比較
PETGフィラメントでの出力状況を試すために自作した洗面所のフィルタを従来のプリンタと A1mini の両方で出力してみました。
下図は従来のプリンタのスライス結果を表示している画面です。
従来のプリンタのスライス結果表示画面 |
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下図は A1mini のスライス結果表示画面です。A1mini の印刷は高速ですが、キャリブレーション等の準備時間が6分弱あるので全体では 17m6s の時間が掛かります。一方上記のデルタ式では 12m8s で A1mini より速くなっています。デルタ式は構造上、ノズルを速く動かせるという点もありますが、もっと大きいものを出力する場合には A1mini の方が速くなるでしょう。また、フィラメントを交換しない場合、キャリブレーションが出力の都度必要なのかも今後の確認事項にしたいと思います。
★追記 2024/11/01 {
デルタ式ではベッドとノズルを設定温度まで上げるのに5分程度かかるので造形開始から終了までの時間は A1mini とほぼ同じになります。
}
A1mini のスライス結果表示画面 |
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下の写真の左側が従来のデルタ式プリンタで出力したもので右側が A1mini で出力したものです。上にあるのは A1mini での流量キャリブレーション時に投げ捨てられるフィラメント玉です。
従来のプリンタはノズル部で出力したフィラメントの冷却ファンの風が弱く、細長い部分は冷却不足で荒れてしまう傾向がありました。A1mini では流石に冷却ファンは強力なようで(最大稼働時には結構音もでる)荒れ現象は発生していません。側面も A1mini(少し段差がありますがつなぎ目の部分でこれ以外の側面はつるりとしています)の方が綺麗ですね。
従来のプリンタとA1miniの出力比較 |
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★追記 2024/11/04
「フィラメントの湿気対策(その4)」の記事に A1mini 用のフィラメントボックスの制作について記載しました。
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