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エクストルーダーの交換検討 [3D_printer]

 「デルタ式3Dプリンタ(Kossel Reprap)の購入」の記事で書いた3Dプリンタキットはその後、非常に調子がいいです。
 しかし、エクストルーダーのテフロンチューブ取付用カップラーのインサータ受け部に亀裂が入り瞬間接着剤で補修している状態です。

 また、TPUフィラメントに対応するために写真中央のグレーの部品を付けてフィラメントが横道にそれないように対処しています。

従来のエクストルーダー


 下の写真はTPUフィラメントを装着しているもので上記の対処により、TPUフィラメントでも造形が可能になっています。

TPUフィラメントのエクストルード


 今回はAliExpressでDual GearタイプでTPUも大丈夫そうなエクストルーダーを見つけたので交換する試みについて書いてみます。

Dual Gear Extruder


 届いたパーツが下の写真で固定用のプレートは購入せず、3Dプリンタで作成します。

Dual Gear Extruder Parts


 固定用プレートのCAD設計結果が左図でスライス結果が右図です。

プレートのCAD画面 スライス結果


 プレートをABSフィラメントで出力したものが下の写真です。

固定用プレート出力結果


 また、フィラメントの湿気対策として将来的にはフィラメントをケースで囲いテフロンチューブを通してエクストルーダーまで持ってきたいので挿入口にネジを切り、テフロンチューブ取付け用カップラーを付けられるようにしました。
(常設していたABS樹脂は梅雨の時期であることもありかなり湿気を吸収している状態です^^;;)

フィラメントホールの拡張


 材質はアルミなのでネジ切りは楽です。切削オイルを付けてネジを切ります。

ネジ切り


 3Dプリンタに取付けた状態が下の写真です。

新エクストルーダーの取付状態


 ここまでは特に問題もなく作業が進んだのですが、新エクストルーダーでフィラメントをロードしてみるとホットエンドに到達した以降、定期的に空回りする問題が発生しましたorz

 ドライブギア(フィラメントを送り出すギア)の直径を確認したところ、従来のものは6.50mmで今回購入したものは7.30mmでした。
 見た目は同じような大きさでしたがドライブギアの直径が大きくなったことによりフィラメントの送り出し量が多くなり定期的に詰まっていたのが原因のようです。

 マニュアル操作でフィラメントを100mm送ったところ、新エクストルーダーではフィラメントが112mm送られる状態でした^^;;

 ネットで確認したところ、M92コマンドで現状のパラメータ値を取得し、同コマンドで4つ目のパラメータの数値を変更後、M500コマンドでフラッシュメモリにセーブすればいいようです。
 しかし、marlinのバージョンが古いためか、M92コマンドに応答がありません。^^;

 M503コマンドで現在の設定値を一覧表示可能なようですが、このコマンドにも反応しませんorz

 キット組立時に使用したMarlinのソースが一式あるのでConfiguration.hをざっと見たところ、エクストルーダーの送り量に関係するようなパラメータは見つかりませんでした^^;;;

 下記はConfiguration.hからの抜粋ですがM500番台のコマンドは502までの実装のようです。
 この3Dプリンタを購入したのが2017年1月で約3年半前ですが、3Dプリンタ関連のソフトの進化はかなり速いので今の情報からの対応はできないようです^^;;

Marlin の Configuration.h(抜粋)
// EEPROM // the microcontroller can store settings in the EEPROM, e.g. max velocity... // M500 - stores paramters in EEPROM // M501 - reads parameters from EEPROM (if you need reset them after you changed them temporarily). // M502 - reverts to the default "factory settings". You still need to store them in EEPROM afterwards if you want to. //define this to enable eeprom support #define EEPROM_SETTINGS //to disable EEPROM Serial responses and decrease program space by ~1700 byte: comment this out: // please keep turned on if you can. //#define EEPROM_CHITCHAT


 Configuration_adv.hの中にエクストルーダーの送り量に関する定義部分を見つけましたが、元々defineされていない部分なので有効化して変更するのはリスクが大きい・・・

Marlin の Configuration_adv.h(抜粋)
// extruder advance constant (s2/mm3) // // advance (steps) = STEPS_PER_CUBIC_MM_E * EXTUDER_ADVANCE_K * cubic mm per second ^ 2 // // hooke's law says: force = k * distance // bernoulli's priniciple says: v ^ 2 / 2 + g . h + pressure / density = constant // so: v ^ 2 is proportional to number of steps we advance the extruder //#define ADVANCE #ifdef ADVANCE #define EXTRUDER_ADVANCE_K .0 #define D_FILAMENT 2.85 #define STEPS_MM_E 836 #define EXTRUTION_AREA (0.25 * D_FILAMENT * D_FILAMENT * 3.14159) #define STEPS_PER_CUBIC_MM_E (axis_steps_per_unit[E_AXIS]/ EXTRUTION_AREA) #endif // ADVANCE


 どこかにこのキットに対応する設定があるはずなのでもう少し調べてみます・・・・
 今のエクストルーダーでも特に問題はないので元に戻すかもw


★2020/07/29 追記 {
 「デルタ式3Dプリンタの静音化」の記事で書いたようにMarlinを V1.1.9.1にVerUpした際、Configraion.h を一通り確認しました。
 エクストルーダーのステップレートは DEFAULT_AXIS_STEPS_PER_UNIT の#define部分の第四パラメータです(現在値は160)
 現在、エクストルーダーを元に戻して運用しています。

Configraion.h 内のエクストルーダー送出量定義部分
/** * Default Axis Steps Per Unit (steps/mm) * Override with M92 * X, Y, Z, E0 [, E1[, E2[, E3[, E4]]]] */ // variables to calculate steps 2020/07/20 skyriver not exidts same items in original #define XYZ_FULL_STEPS_PER_ROTATION 200 #define XYZ_MICROSTEPS 16 #define XYZ_BELT_PITCH 2 #define XYZ_PULLEY_TEETH 16 // delta speeds must be the same on xyz #define DEFAULT_XYZ_STEPS_PER_UNIT ((XYZ_FULL_STEPS_PER_ROTATION) * (XYZ_MICROSTEPS) / double(XYZ_BELT_PITCH) / double(XYZ_PULLEY_TEETH)) #if 0 // 2020/07/20 skyriver #define DEFAULT_AXIS_STEPS_PER_UNIT { DEFAULT_XYZ_STEPS_PER_UNIT, DEFAULT_XYZ_STEPS_PER_UNIT, DEFAULT_XYZ_STEPS_PER_UNIT, 90 } // default steps per unit for Kossel (GT2, 20 tooth) #else #define DEFAULT_AXIS_STEPS_PER_UNIT { DEFAULT_XYZ_STEPS_PER_UNIT, DEFAULT_XYZ_STEPS_PER_UNIT, DEFAULT_XYZ_STEPS_PER_UNIT, 160 } // default steps per unit for Kossel (GT2, 20 tooth) #endif

}


★2020/07/29 追記2 {
 新エクスローダーに変更しました。
 前回問題だったフィラメント送出量の問題については以下のように対処しました。

 M503 コマンドで表示される M92 のパラメータは上記の追記で書いたようにソースで設定された

  M92 X100.00 Y100.00 Z100.00 E160.00

でした。フィラメントを100mm 注入すると 112mm 入ったので

 160 * 100 / 112 = 142.857

の計算値から

M92 X100.00 Y100.00 Z100.00 E142.86

のコマンドでパラメータを変更し、 M500 コマンドでEEPROMに保存しました。
 再度、フィラメントを100mm挿入し、実際のフィラメント長を計測した結果、100mmでした。
 その後、簡単な造形を行い問題ないことを確認しました。
 Configuration.hの該当部分を変更し、コントローラにダウンロードし、今回のエクストルーダーの交換作業が完了しました。
 アルミ製のデュアルギア方式のエクストルーダーなので今までのものより性能及び外観が良くなった^^
}


★2020/08/05 追記
 「フィラメントの湿気対策(その2)」の記事に本エクストルーダーを使ったフィラメントの湿気対策について記載しました。


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