SSブログ
English Version

カッティングマシンでプリント基板製作 [カッティングマシン]

 先日、カッティングマシンを購入しました。
 機種はグラフテック社製 silhouette-CAMEO(シルエットカメオ)です。

 結構な精度でカッティングできるので制作意欲が沸いてきます^^
 電子工作関連では表面実装部品のリフローでのクリーム半田塗布時に使うステンシル(塗布マスク)をカッティングマシンで製作している人が多いようです。

 プリント基板作成工程はいろいろ手間がかかるので銅箔をカッティングマシンでカットすることで手軽にプリント基板を作れないか検討しています。
 インターネット上で同様な試みの情報を見つけましたがICのピン間にパターンを通すような製作例は見つかりませんでした・・

 今まで手配線で基板作成していたので最初にパターン設計できる環境が必要です。P板.comのWEBサイトにある 回路設計CAD などを参考にしてフリーで使用制限のない(かつ割合新しく操作性の良さそうな) DesignSpark PCB を使うことにしました。

 銅箔は電磁波シールド用に貼り付けられるサンハヤト製の「磁気ガード」を使います。サイズは160mm×210mmで厚さが 0.08mm(訂正2015/01/25 0.03mm マルツオンラインには 「t0.08mm」と誤記載されている^^;;;)なのでマイコン用のプリント基板としては十分な厚さです。

 いざ試してみるといろいろ課題があることが判ってきました^^;;;
 最初の大きな課題はカット時に小さなパターン部分の銅箔が剥がれてしまうことです。こうなると基板への正確な貼り付けが出来なくなるし、場合によってカッティングマシンの刃に絡まり以降のパターンがうまく切れなくなってしまいます^^;;;;;
 カッティングマシン(カメオ)のラチェットブレード(刃の出具合)、カット速度、厚みの各設定値をいろいろな組合わせで試してみましたが満足のいく結果は得られませんでした^^;

使用した銅箔 失敗例


 問題の根本原因は銅箔と接着面についている紙シートの結合が弱いことでこの原因を解消できれば解決できるはずです。そこで考え付いたのが次の「二重ラミネート方式」と命名した方法です^^
 次のような手順でパターンカットし基板に貼り付けます。
  1. 銅箔シートの銅箔面に転写シートを張る。
  2. 銅箔シートについている紙シートを剥がし、粘着面にも転写シートを張る。
  3. 銅箔の粘着面側を上にしてカッティング台紙に取付ける。こうすることで問題原因であった結合力の弱さは銅箔の粘着面と転写シートの粘着面の結合により強化されます。
  4. カッティングを行う。注意点としては銅箔までカットし、最下層の転写シートはカットされないようにすることです。(カメオの設定はラチ:10、速度:1(最低速度)、厚み:10で良好な結果が得られました)
  5. カット後、台紙から全体を剥がし、銅箔粘着面の転写シートを剥がす。
  6. 基板に銅箔全体を貼り付ける。
  7. 転写シートを剥がす。
  8. 銅箔の不要な部分を剥がす。

何かを貼り付けた後はしごいて密着させるようにしてください(私は百均で買ったしごき用の冶具を使っています)。銅箔粘着面を上にしてカットするため基板に張ったパターンは反転するので注意してください。
 また、カメオに付属している専用ソフト(Silhouette Studio)の輪郭抽出機能では2値化したbmpファイルでもきれいに輪郭抽出できなかったので輪郭抽出は他のソフト(CNCでの基板作成関連情報が参考になります)を使用した方が微細なパターン部分は綺麗にできます。
 下の写真はSOP8(1.27mm)DIP変換パターンの作成例です。

カット成功 基板に貼り付け



今後の課題としてはスルホール処理があります。
  1. 銅箔の粘着力はそれ程強くないのでドリルで穴を開ける際にパターンが壊れる。(パターンの定着が弱い)。 解決案としては事前に穴を開けておくか、UEW(ウレタン線)のようにウレタンを塗布してパターンを定着&パターン間を絶縁する。
  2. 穴あけ後のスルホール自体の処理をどうるすか?
     案1として1mmφ以下のハトメを使用する(CNC基板作成などで使用されている方法)。インターネット通販を探しましたが1000個単位(@5円程度)での販売しか見当たりませんでした^^;
     秋葉原の「西川電子部品」で100個を袋売りしているとの情報(2009年情報)を見つけ先日行ってみましたがφ2mmのものが最小でした。orz
    →秋葉原の「千石通商」に立ち寄ったところ10個入りで75円で売っていたので購入しました^^
     案2としてφ1mmの銅管を使ってハトメのように工作する。インターネットで探したところモノタロウで見つけたφ1mm、厚さ0.2mmのものが売り切れ状態だった(今見たら当日出荷状態orz)ので同サイズの真鍮管を購入しました。しかし予想以上に硬く、加工作業が大変なことがわかりました^^;銅ならもっとやわらかい?


 課題ではないですが、カッティングマシンを使えばマスクパターンの作成は容易なのでソルダーレジストやスプレー塗装でのシルク印刷相当(またはペンをつけての基板への直接書込み)等も楽しめそうです^^


[ 前へ ] 連載記事 [ 次へ ]

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1